2019年2月22日(金)

オランダ・ファンハール監督 「守備的」批判、結果で反証

2014/6/25付
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1次リーグ3連勝で決勝トーナメント進出を決めたチリ戦後の記者会見。オランダのファンハール監督が熱弁をふるった。発端は「こんな守備的なサッカーをする理由は?」との記者からの質問。これが62歳の戦略家のプライドに火を付けたらしい。「では私も質問しよう。君が定義する『攻撃的なサッカー』とは何だね? 君は答えられるのか?」

戦術という知を貫くために人並み外れて情熱的なファンハール監督=写真 上間孝司

戦術という知を貫くために人並み外れて情熱的なファンハール監督=写真 上間孝司

監督は自信満々に言う。「ここまでの試合、常に得点機をつくっているではないか。少しも守備的ではない。率直に事実を見たまえ」。その通りかもしれない。5バックという後方を分厚くする布陣は守備的に見えるが、10得点は23日の時点で最多。1次リーグ3試合で2桁得点を記録したのは、2002年大会のブラジルとドイツ(ともに11得点)以来のことだ。守っているだけのチームが残せる数字ではない。

1990年代にオランダのアヤックスを率いてリーグ3連覇を果たすなど黄金期を築いた。スペインのバルセロナ、ドイツのバイエルン・ミュンヘンと行く先々のビッグクラブで優勝を果たした。そのスタイルはともすると「戦術ありき」。それが選手やファンとの衝突も生んできた。

5バックに固執するわけではなく、現メンバーを吟味したうえで出した答えであるはずだ。ボランチにはデヨングらボール奪取能力の高い選手がおり、前にはロッベンとファンペルシーという屈指のFWがいる。最もチームとして機能するのは5―3―2だと。一理ある考えで、いまのところ破綻は見受けられない。

「私は勝ちたい。1点でも多く取って勝ちたいのだ」とも力説した。勝つために「正しい」ことなら何ものにも邪魔はさせない、という執念さえ漂う。二律背反めいているが、戦術という知を貫くために人並み外れて情熱的。ロッベンら個性派を戦術に従わせられるのも、このエネルギーに満ちたパーソナリティーゆえと思えてくる。

大会後は香川真司の所属するマンチェスター・ユナイテッドの監督に就く。戦術家としての実力を改めてブラジルで証明し、新天地でも誰が何と言おうが「正しい」戦術にまい進するのだろう。マンUのファンや選手は歓迎するのだろうか。あるいは戦々恐々としているのか。

(サンパウロ=岸名章友)

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