米国・クリンスマン監督 交代→決勝点、予言ピタリ

2014/6/18付
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クリンスマン監督を見つめる選手の目は、教祖をあがめる信者のようになってきた=写真 浅原敬一郎

クリンスマン監督を見つめる選手の目は、教祖をあがめる信者のようになってきた=写真 浅原敬一郎

はた目には、不本意な形の交代策ばかり強いられたかのように見える。23分にFWアルティドアが脚を痛め、担架で運ばれた。前半にはCBビーズラーも故障。ドイツ出身のクリンスマン監督はその手当てだけで2枚の交代枠を使った。

選手によると、ここにも監督の先見性が詰まっていたのだという。「ユルゲン(クリンスマン)は前半から控え選手をウオーミングアップさせていたんだ。彼は未来が見えるようだ」。そう言ってMFジョーンズは目を丸くする。

現役時代はストライカーとして1990年イタリアW杯で優勝(当時は西ドイツ)、主将として臨んだ96年欧州選手権でも優勝を果たしている。監督としては2006年ドイツ大会で、下馬評の低かった母国を率いて3位に入った。

もう一花咲かせるべく11年から指揮を執る米国で、大胆な改革を実行中。4大会連続出場がかかっていた大ベテランのドノバンをメンバーから外し、若手中心に切り替えた。多少の技術差よりも、試合で働ける心身のコンディションを重視するチームづくり。各選手のケガのリスクも、計算し尽くしていたのかも。

コーナーキックで守る米国のブルックス(右)

コーナーキックで守る米国のブルックス(右)

「何度も何度も何度も練習していた」と監督が胸を張るCKからヘディングで決勝点を挙げたのも、「空中戦に強いから」という理由で故障のビーズラーの代役に選んだブルックスだった。数々の「予言」が成就し、ガーナから事前の予想を裏切る快勝。監督を見つめる選手の目は、教祖をあがめる信者のようになってきた。

ブルックスはこんなことまで言う。「CKから俺が頭で決めて勝つシーンを、2日前に夢で見たんだ」。監督への信心が高まり、ついに超常現象まで引き起こした? いやいや、眠っている間にも自分の仕事を「復習」するほど、選手には勝利のイメージがすり込まれているということ。それも、監督の指導力を示している。

(谷口誠)

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