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イチロー健在、古巣球場で見せた絶対的距離感
スポーツライター 丹羽政善

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2014/6/16 7:00
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11日、午後7時24分、ヤンキース一回表の攻撃が終わると、三塁側のダッグアウトから姿を見せたイチローが、ライトに向かって走ってきた。

他の選手のようにゆっくりではない。かなりのスピードだ。距離が近くなるにつれて、右翼スタンドには、「ICHIRO!~」のかけ声がこだまする。その声を正面で聞きながら、定位置付近で足を止めたイチローは、立ったまま腰を折り、足元の芝生を右手でさっとなでた。

年1回の遠征、熱狂的ファンに迎えられ

セーフコフィールドの右翼席からイチローを見たのは久しぶりだった。そもそも今は1年に1回しか遠征がない。ただ、だからこそファンも熱狂的。今回のシアトル遠征では最初の2試合でスタメン出場したが、イチローが守備位置につくたびに大きな声がかかり、イチローもたびたび手を挙げて応じるなど一体感があった。

守備練習のときには、打球に対して背を向け、体をのけぞるようにしてフライを捕る。スタンドから歓声が沸くと、その方向にボールを投げ入れた。

今回、その右翼席の盛り上がりが最高潮に達したのは、シリーズ初戦の二回だろう。先頭のカイル・シーガーの打球が、右中間を襲う。打ったシーガーが「抜けた」と思った会心の一撃だった。

ライナー性の打球、一直線に背走し好捕

しかしながら、定位置からスタートを切ったイチローが、落下地点に向かって一直線に背走。最後はジャンプしながら体をひねって左腕を伸ばすと、白球をグラブに収めている。

着地地点はフェンスの数メートル前。ライナー性の打球でもあったため、他の選手ならあそこまで追えず、また、フェンスが迫っていることを感じれば、あきらめてフェンスに打球が当たるのを待って、二塁打で止めることを考えるはず。しかし、イチローには絶対的距離感があり、セーフコフィールドを体で覚えていた。

「今の現役選手では、僕が一番(セーフコフィールドのライトを)知っていると思うから」。おそらく、現役というより歴代で、だろう。

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