2019年8月17日(土)

知られざる家計の味方 医療費負担に上限あり
年齢や所得で取り戻せる額を把握

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2014/5/31 7:00
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同じ月なら複数の受診や同じ世帯に属する人の分を合算できる。合計が上限額を超えれば支給対象となる。ただし70歳未満だとそれぞれの自己負担が2万1000円以上ないと合算できない。また世帯合算は同一の医療保険の加入が条件。共働きの夫婦で別々の健康保険に加入している場合や、健康保険の被保険者と75歳以上の後期高齢者医療制度の被保険者などは、同居していても合算はできない。

社会保険労務士の井戸美枝氏は「世帯合算は見落としがち」と指摘する。最近の相談では、がんの手術を受けた男性で自分の分は申請しながら、同じ月にオートバイの事故に遭った息子の分を合算し忘れた例があったという。「それぞれ2万1000円以上でも、単独で上限額を超えないとお知らせが届かない。家族の医療費もしっかり目配りしたい」と話す。

大手企業の健康保険組合の中には、独自に給付を上乗せして負担額をさらに下げているところや、申請がなくても上限を超えた額について自動的に払い戻しているケースもある。自動払いの場合、被保険者が気付かないうちに口座に振り込まれていることもある。やはり自分で仕組みについて知っておきたい。

協会けんぽが昨年実施した「医療と健康保険に関する意識等調査」では、同制度を利用したり、内容を知っていたりする人は6割強。ただし年齢が若いと、制度や内容を知らなかった人が増える。FPの清水香氏は「セミナーで話したり、相談を受けたりした実感では、70%の人は知らないのでは」と話す。周囲に利用した人がいるとか、大きな病気にかかった経験があれば別だが、知らずに過ごしてしまう人も少なくなさそうだ。(編集委員 土井誠司)

■来年1月から所得区分細かく
 高額療養費制度は2015年1月から見直される予定だ。70歳未満の所得区分を細分化し、自己負担限度額をきめ細かく設定する。これまで1区分だった一般の所得者を年収約370万~約770万円の高い層と、約370万円までの低い層の2つに分ける。高い層の月単位の上限額は従来通りだが、低い層は5万7600円となる。
 上位所得者も年収約770万~約1160万円と、約1160万円以上の2区分にする。こちらはそろって上限額が上がる。今年と来年で同じ医療費がかかっても、所得によっては戻る金額が変わる場合がある。

[日本経済新聞朝刊2014年5月28日付]

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