2019年1月16日(水)

沢村栄治は160キロ超? 往年の名投手の球速は…
編集委員 鉄村和之

(2/4ページ)
2014/5/12 7:00
保存
共有
印刷
その他

主な名投手の推定球速
沢村栄治(巨人)160.4
尾崎行雄(東映など)160.2
村山実(阪神)158.8
江夏豊(阪神など)158.8
スタルヒン(巨人など)157.2
山口高志(阪急)155.7
小松辰雄(中日)154.5
金田正一(巨人など)154.3
村田兆治(ロッテ)152.2
江川卓(巨人)151.2
杉浦忠(南海)150.7
外木場義郎(広島)150.0
稲尾和久(西鉄)144.4

(注)単位はキロ

ただ、打者に向かって全力投球をしている映像ではないため、湯浅教授はプロの投手が投球前に軽く投げる際、全力投球の何%ぐらいの力で投げているかを調べた。何十人もの選手を調査した結果、ある一定の傾向があることが分かったという。

映像もとに全力投球の球速を類推

こうして判明した傾向と、キャッチボールしている映像からはじきだした球速(撮影したカメラの性能などを調べ、ボールが手元から離れて何コマでどれだけ進んでいるかなどから計算)から類推した沢村の全力投球の球速は、「160.4キロだった」と湯浅教授は説明する。

そのほかの主な名投手については全力投球しているときの映像が手に入ったため、球速を計算したところ、2番目が尾崎行雄(東映など)の160.2キロ。3番目が村山実(阪神)と江夏の158.8キロ。次いでスタルヒンの157.2キロだった。

「怪童」といわれた尾崎は浪商高2年だった61年に夏の甲子園で優勝投手となると、同年秋に高校を中退して東映入り。ルーキーだった62年に20勝9敗を挙げて新人王に輝いた。上体を揺らして反動をつけて投げる独特の投げ方は「ロッキング・モーション」と呼ばれ、オールスターで対戦した長嶋茂雄(巨人)が「あんな速い投手はセ・リーグにはいない」と目を丸くした逸話も残っている。

江夏は阪神時代、160キロ近い速球を投げていたとみられる(75年2月)

江夏は阪神時代、160キロ近い速球を投げていたとみられる(75年2月)

闘志むき出しの「ザトペック投法」で知られる村山は、快速球とフォークボールを武器に通算222勝を挙げた阪神の名投手。キャリア後半の広島などでは抑え投手としても活躍したが、阪神時代に先発の快速左腕としてならした江夏は71年のオールスターで9連続三振の偉業を達成し、8人目の三振を喫した岡村浩二(阪急)は「速すぎる。スピード違反や」とうなったともいわれる。日本のプロ野球で初の300勝投手となったスタルヒンの剛球に、巨人の捕手の吉原正喜が「捕球するのに恐怖を感じた」そうだ。

もちろん、沢村の球速はあくまで計算上の類推で「誤差はあるかもしれない」と湯浅教授も断りをいれる。それでも、沢村が「かなりのスピードボールを投げていたのではないか」と同教授は言い切る。

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報