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米ヘビー級ボクサー、なぜ勝てなくなったか
スポーツライター 杉浦大介

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2014/3/31 7:00
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かつて米国では、ヘビー級王者こそがボクシング界の象徴だった。しかし、モハメド・アリ、ジョー・フレージャー、ジョージ・フォアマン、ジョー・ルイス、ロッキー・マルシアノといった巨星たちが全米のファンを沸かせた時代も今は昔。マイク・タイソン、イベンダー・ホリフィールドら活躍した1990年代前半を最後に、米国のヘビー級は低迷期に突入して久しい。

主要4団体(世界ボクシング協会=WBA、世界ボクシング評議会=WBC、国際ボクシング連盟=IBF、世界ボクシング機構=WBO)のチャンピオンは2007年以降現れておらず、次世代の選手たちも未知数なのが現状。米国のヘビー級ボクサーたちはなぜ勝てなくなったのか。

クリチコ兄弟が君臨、米では人気低く

世界のヘビー級はしばらくウクライナ出身のクリチコ兄弟の"統治下"にあった。WBCタイトルは兄のビタリが、WBA、IBF、WBOのタイトルは弟のウラディミールが長きにわたって保持。政界入りしたビタリは昨年12月にタイトル返上したが、ウラディミールの時代が続いていることに変わりはない。

しかし、ボクシング興行界の頂点であるはずの米国において、クリチコの商品価値は低いまま。欧州ではスーパースターでも、戦いぶりが慎重すぎるスタイルゆえに米国では人気を得るに至らず、米国内では過去5年以上も試合を行っていない。

多額の予算を所有し、米ボクシング界を事実上牛耳るケーブルテレビ局「HBO」「Showtime」もクリチコ兄弟の売り出しには積極的でないのが現状。10年には当時HBOのスポーツ部門の社長だった人物が、「もうヘビー級戦の放映には興味がない」と公に発言して物議を醸したこともあった。

アメフトやバスケに優れた人材流出

どんなに強くとも、ジャブに依存したクリチコ兄弟のファイトはスリルに欠け、外国人であるがゆえに米国内での訴求力にも乏しい。そして、そんな彼らに太刀打ちできる米国人選手がほとんどいないという事実が、米国内でのヘビー級への無関心に拍車をかけてしまっている感がある。

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