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日本企業、際立つ回復力 改革実り円安追い風

日本企業の収益回復が鮮明となっている。主要業種を対象に日本企業と世界企業の2013年度の業績を比較したところ、自動車ではトヨタ自動車が独フォルクスワーゲン(VW)を突き放して「独走」、新日鉄住金はライバルの韓国ポスコを逆転した。ここ数年取り組んできた構造改革が実を結び、円安を追い風に収益力が上向いた。半面、電機などは世界大手との格差がなお大きく、改善の余地が残る。

世界の企業の税引き前損益(日本企業の一部は経常損益、予想含む)について13年度業績を比較した。海外企業は米調査会社、ファクトセットのデータを用いた。

業績回復が目立つのが自動車だ。トヨタが税引き前利益で2兆5300億円と前年に続き首位となり、2位のVWとの差を広げた。金融危機以降、抜本的なコスト削減を進めたほか、国内工場の損益を日次で把握できるようにするなど、構造改革で稼ぐ力を高めた。

ホンダが7位から5位に、富士重工業が17位から13位、マツダも25位から20位に浮上した。マツダは輸出比率が7割超と高く、国内で雇用を維持しつつ生産力を堅持してきた経営が円安をきっかけに実を結んだ。

構造改革の成果は鉄鋼でも表れた。3400億円の経常利益を見込む新日鉄住金がポスコを追い抜いて首位を奪還した。自動車向けや東日本大震災からの復興関連の需要の伸びに加え、合併効果をテコにコスト競争力を高めた。自動車用鋼板を中心とする高級鋼に注力する戦略も利幅の改善に一役買った。

13年度の経常利益は新日鉄住金が約4.4倍、JFEホールディングスは約3.3倍、神戸製鋼所は経常黒字に転換する見通し。

一方、ポスコはウォン高が逆風となり、中国の宝鋼集団は「影の銀行」問題などで設備投資が減速していることが響く。アルセロール・ミタルは欧州の鋼板事業の低迷で赤字が続く。

ゲーム分野での新勢力台頭も注目点だ。パズルゲーム「パズル&ドラゴンズ」が世界的ヒットとなったガンホー・オンライン・エンターテイメントは経常利益が約9.6倍の901億円で2位に浮上、ゲームソフトの巨人、米エレクトロニック・アーツ(EA)を上回る。ガンホーは課金ノウハウで欧米勢に先行。専用ゲーム機や従来型携帯電話を使っていたユーザーのスマートフォンへのシフトも収益拡大の追い風となった。

13年度は対ドルで前年度比20円近い円安が企業収益を押し上げた。だが14年度の円安効果は大きく縮小し、消費増税の影響も避けられない見通し。構造改革の真価が問われそうだ。

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