2019年7月19日(金)

多才のFW、ランナーの顔 ラグビー・堀江翔太(上)

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2014/3/15 7:00
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背番号などない方がふさわしいのだろう。一応、フッカーを表す「2番」をつけ、スクラムの最前線で体を張る。ただ、プレーが動き出すと、ラグビー日本代表、堀江翔太のポジションは途端に分からなくなる。

走り出した後でも「2つのコースを用意している」

走り出した後でも「2つのコースを用意している」

昨年9月、トップリーグのクボタ戦。密集からのパスを受けた選手がラインの裏に絶妙なキック、追いついたウイングが楽々とトライした。司令塔役のSOによる足でのアシスト……と思いきや、歓喜の輪に駆け寄ったキッカーは堀江だった。およそFW第1列らしくない滑らかな動きに、見る者は一瞬だまされる。

最もスキルあるフッカーの一人

「世界で最もスキルがあるフッカーの一人であることは疑いがない」。オーストラリア、イングランドなどでの指導経験が豊富な日本代表ヘッドコーチ、エディー・ジョーンズもその能力に太鼓判を押す。

体の芯に突き刺さるタックル。受け手の方を見ずに放つパス。その多彩な魅力の中で最も光るものをあえて選ぶなら、ランナーとしての顔だろうか。人垣が密集していても僅かな空間に体を入れる。ときに、横に回転する動きも交えながら。ポンポンとゴムまりが弾むようなイメージだ。

ニュージーランドなどの強豪と戦っても、ボールを持てばほぼ確実に前進する。なぜそんなことが可能なのか? 「分からない。生まれつきなのでは」とジョーンズは笑う。最高速度は遅いが、代表のバックスと同等の加速力があることは計測で証明されている。

相手を抜くための計算でフル回転

ただ、身体的な特長は理由の半分でしかない。「守備側が何をするかを感知する力に優れている」とジョーンズは指摘する。あごひげを蓄えた風貌に素朴な語り口。一見、野生児だが、頭の中は相手を抜くための計算でフル回転している。

堀江の勝負は、ボールを受ける前から始まっている。「パスをキャッチしながら周囲を見られる視野の限界は僕の場合、90度」。パスの出し手と守備側の選手をその90度の枠に収められるよう、体と頭の向きをあらかじめセットしておく。

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