人間ってどんな存在? 「研究室」に行ってみた。
川端裕人さん

文筆家・川端裕人氏がナショナル ジオグラフィック日本版サイトで連載中の「『研究室』に行ってみた。」は、知の最先端をゆく人物を通して、世界の不思議や課題にふれる人気コラムです。NIKKEI STYLEに転載されたシリーズから、人間の社会や健康にかかわるラインアップを紹介します。
日本の「移民」を考える
国士舘大学 社会学 鈴木江理子さん

「移民」について考えることは、U22世代が新しい社会を築くためのヒントを与えてくれます。同じ時代、同じ社会を共に生きるという視点を通して、一人ひとりの人間の見え方が変わるかもしれません。
オーダーメイドの精密医療めざす
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 松田浩一さん

一人ひとりのDNA情報をもとに予防を含め適切な治療法を選ぶ「精密医療」。多くの人々の救済につながる研究ですが、松田浩一さんの胸には、希少疾患に苦しむ患者への思いがずっとともっています。
(3)十二指腸潰瘍リスク、O型はAの1.43倍 精密医療の目
栄養疫学が迫る「健康」の根拠
ケンブリッジ大学 医学部上級研究員 今村文昭さん

食べ物の効果や影響を考え、その要因や対策を追究する「栄養疫学」。同じ「よくわからない」という結論でも、その根拠の深さに大きな差があること、そして情報をうのみにする怖さを教えてくれます。未知のウイルスに向き合うときのヒントにもなるかもしれません。研究者の濁りのない目がみつめる先にも注目です。
ヒトをCGで再現できるか
早稲田大学 先進理工学部 森島繁生さん

生きた人間の動き、とくに「顔」をCGで再現する研究がテーマです。人工知能(AI)を使ってより実物に近いコピーを生み出そうとすると、かえってまねが難しい人間らしさの価値に気づく、そんな面白さがあるようです。表情豊かに顔と向き合う師弟の姿も伝わってきます。
1964年、兵庫県明石市生まれ。千葉県千葉市育ち。文筆家。小説作品に、肺炎を起こす謎の感染症に立ち向かうフィールド疫学者の活躍を描いた『エピデミック』(BOOK☆WALKER)、夏休みに少年たちが川を舞台に冒険を繰り広げる『川の名前』(ハヤカワ文庫JA)、NHKでアニメ化された「銀河へキックオフ」の原作『銀河のワールドカップ』(集英社文庫)とその"サイドB"としてブラインドサッカーの世界を描いた『太陽ときみの声』『風に乗って、跳べ 太陽ときみの声』(朝日学生新聞社)など。
本連載からのスピンアウトである、ホモ・サピエンス以前のアジアの人類史に関する最新の知見をまとめた『我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち』(講談社ブルーバックス)で、第34回講談社科学出版賞と科学ジャーナリスト賞2018を受賞。ほかに「睡眠学」の回に書き下ろしと修正を加えてまとめた『8時間睡眠のウソ。 日本人の眠り、8つの新常識』(集英社文庫)、宇宙論研究の最前線で活躍する天文学者小松英一郎氏との共著『宇宙の始まり、そして終わり』(日経プレミアシリーズ)もある。近著は、「マイクロプラスチック汚染」「雲の科学」「サメの生態」などの研究室訪問を加筆修正した『科学の最前線を切りひらく!』(ちくまプリマー新書)
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