2017年11月24日(金)

メダルゼロの危機感、スケート界全体で共有を

2014/2/24付
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 転ばずに落ちついて滑るだけでいい。女子団体追い抜きの準決勝で、日本はそう割り切っていたはず。歴史的な強さを見せているオランダに負けるのは織り込み済み。スピードスケートで日本勢唯一となるメダルは3位決定戦に懸けた。

準決勝でオランダに敗れた(手前から)高木、押切、菊池=写真 柏原敬樹

準決勝でオランダに敗れた(手前から)高木、押切、菊池=写真 柏原敬樹

 対するロシアは準決勝でポーランドと激戦の末に敗れ、脚に疲労が残っていた。狙い通りの有利な状況で、日本は持っている力を全て出した。空気抵抗を一手に引き受ける先頭の交代はスムーズで、3人の距離の取り方にもミスはなかった。5度目の五輪の田畑真紀がチームをよくまとめていたのだろう。押切美沙紀、高木菜那という21歳の2人も伸び伸び滑った。

オランダ、スケーティングの同調性高く

 それでもロシアに大差をつけられた。かつてはレース後の控室で殴り合い寸前の激しいけんかをするほどまとまりのない国だったが、今回は開催国の責任感からか、チームに一体感があった。

 決勝を五輪新で制したオランダはもう一枚上手で、スケーティングの同調性も高かった。一蹴り一蹴りのストロークの長さが3人ともほとんど同じ。体が左右に揺れるタイミングも一致しているので、前から見ると2、3人目の体が1人目で常に隠れている。

 同じ滑り方のメンバーをそろえたというより、大会に出場したオランダの全選手の滑りが似ていたような。背後には細かいノウハウや指導法を国全体で共有する仕組みが存在するのではないか。

 日本は今季結成したような歴史の浅いチームにしてはよくやったが、2、3人目が横にはみ出す時間が長く、空気抵抗がやや大きかった。個の劣勢を3人の連係でカバーした結果が前大会の銀メダル。しかし、今回は滑りの同調性でも勝っているとはいえなかった。

未来担う子供にどれだけ伝えられたか

 スピードスケートは2大会ぶりのメダルゼロ。未来を担う子どもたちにどれだけのものを伝えられたかと心配になる。この欄でも日本の選手の話題をもっと書ければよかったけど、オランダの話が多くなってしまった。日本が海外から学ぶところはそれだけたくさんある。その危機感をスケート界全体で共有できたなら、ソチの収穫になるだろう。

(トリノ、バンクーバー五輪代表)

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