2019年2月18日(月)

ジャンプ・高梨に吹いた魔物の風

(2/3ページ)
2014/2/12 7:51
保存
共有
印刷
その他

沙羅のときの風がまさにそうだった。しかも2回とも。

ソチの会場、着地の衝撃きつい台

2回目の着地前の風は特にひどかったと思う。1回目の反省もあって、テレマーク姿勢を入れようという意識がうかがえた。しかし、現実にはドスンと落ちた。

着地のときに向かい風が吹いていれば、落下速度にブレーキがかかって、ふわりと体が軽くなる。落下傘を背負ったようにソフトランディングできる。

追い風だと、加速度がつくことになり、我々がいつも使っている言葉で言うと、たたきつけられる。その衝撃はビルの何階かから飛び降りるようなもので、テレマークどころか、男子でも立つのがやっとになる。男子ほどの脚力のない女子ではなおさらきつい。傾斜がなだらかなソチの台はそれでなくても着地の衝撃がきつい台だ。

2回目の沙羅は距離が伸びなかった割に、立つのもやっとの着地になった。相当の追い風を受けたに違いない。おそらく飛び始めはいい向かい風で、それだけにギャップが大きかった。

「当たり」の風を受けたメダリスト

伊藤は7位入賞。喜び半分、悔しさ半分のジャンプだった=写真 柏原敬樹

伊藤は7位入賞。喜び半分、悔しさ半分のジャンプだった=写真 柏原敬樹

初代女王となったカリナ・フォクト(ドイツ)、2位のダニエラ・イラシュコ(オーストリア)は2回の飛躍のうち、1回は「当たり」の風を受けていた。

103メートルを飛んだフォクトの1回目、104.5メートルを飛んでこの日の最長不倒となったイラシュコの2回目がそれだ。

2回ともいい風がほしいとは言わない。2回のうち1度だけ沙羅にいい風が吹いてくれたら……。

飛距離をみると、2回合わせて沙羅はフォクトに2メートル、イラシュコに4.5メートル負けているが、私の見立てでは5メートル分程度、風で損をしていたように思う。

もっとも、沙羅は完璧とは書いたものの、実は気になることが1つあった。生命線であるはずのアプローチに、事前の公式練習で若干のズレがみられたことだ。公式練習の1日目も2日目も、助走速度がイラシュコらに比べて、時速1キロほど遅かった。本番では改善されていたものの、ソチに入るまでの沙羅ではなかったかもしれない。今季ワールドカップ13戦10勝。ほんの少し前の圧倒的な沙羅なら、この程度の風の不利はものともしなかったはずだ。

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

スノボ男子ハーフパイプで銀・銅

あすからフィギュア男子個人戦

ジャンプのコラム

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報