2019年1月21日(月)

ジャンプ・高梨に吹いた魔物の風

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2014/2/12 7:51
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高梨沙羅(クラレ)をかばうわけではない。技術的にも精神的にも彼女のジャンプは完璧だった。2回の飛躍のうち、1度だけでも風に恵まれていたら……。「五輪の魔物」の多くは心の中にあるが、この試合に限っては風こそが魔物だった。

高梨のジャンプは2回とも風に恵まれなかった=代表撮影

高梨のジャンプは2回とも風に恵まれなかった=代表撮影

この五輪からジャンプで風の要素(ウインドファクター)を得点計算に組み入れるようになった。ジャンプでは向かい風が有利とされ、追い風だと距離が出にくい。この有利不利をなくすために、向かい風ならポイントを引き、追い風だと加算するのだが、先日の展望記事でも書いたように、ちょこちょこっと数字をいじった程度では救われないくらいのハンディが実際には生じる。

風向き、ジャンパーの明暗左右

むしろウインドファクターを取り入れたことにより、風向きが多少ばらついてもどんどん飛ばせて試合進行を図る傾向があり、ジャンパーの明暗を左右する状況になっている。

沙羅にとって、それが信じられないくらいの「暗」と出た。

ジャンプ台はてっぺんから下のランディングバーンまで百数十メートルの高低差がある。ジャンプ台の上と下では風向きも違い、踏みきり地点から着地点までの間でもころころ風が変わっている。

「いきはよいよい、帰りはこわい」

特にソチの風は気まぐれのようだ。土地を削ってすり鉢状の地形にしているせいか、強い風は吹かないが、巻いている。ジャンパー泣かせだ。

高梨のウインドファクターは1回目がプラス3.1ポイントで、2回目がプラス1.9ポイントだった。追い風で不利だったとして、加点されたわけだが、沙羅の被った不利益はその程度の調整で救済されるものではなかった。

ジャンパーが最も恐れるのは飛び始めが向かい風で、後半追い風になるというパターンだ。「いきはよいよい、帰りはこわい」というやつで、いい風をもらって浮力がついたと思ったら、いきなり追い風に背中を押しつけられて、ドスンとたたき落とされる。そんなイメージのジャンプになってしまう。

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