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「するスポーツ」という文化を育むには
編集委員 吉田誠一

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2014/2/5 7:00
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しかし、よく考えてみると、嫌々ながらも決められたペースで走り続けたのだから、いいトレーニングにはなった。機械に尻をむち打たれながら駆け続けたという感じだろうか。1人で走っていると、つらいことから逃げだしがちなだけに、たまにはこれもありかもしれない。とにかく、またも汗だくになれたのは良かった。

朝のムルデカ公園で、そろいのスポーツウエアを着て隊列を組んで走る人たち

朝のムルデカ公園で、そろいのスポーツウエアを着て隊列を組んで走る人たち

朝の公園を集団で走る役人・警察官?

朝食後、朝ならランナーがいるのではないかと想像し、散歩がてら再びムルデカ公園に足を運んでみる。すると、いるではないか。といっても自主的に走っているランナーではない。

そろいのスポーツウエアを着て、隊列を組んで走っている。掛け声つきや、みんなで歌いながら走っている集団もある。年齢の幅は広く、10代の男性から50代の女性までいる。

ランニング終了後、向かった先が公園に隣接した官庁街なので、おそらく役人や警察官が仕事前に運動を課せられているのだろう。そのまま屋台に直行し、朝食をとっている人も多い。

仕事前のラジオ体操のようなもので、これを「するスポーツ」という文化と呼んでいいのかどうかは疑問符がつく。かなり、やらされている感が強い。そう考えると、日本の体育の授業も「するスポーツ」とは言い難い。やはり、あれはスポーツではなく体育なのだろう。

そういう体育の授業で走らされることに嫌悪感を抱いていた人間が、年を重ねてから、喜々として走るようになったというのが、いまの日本のランニングブームということになる。

体育の授業がもっと楽しければ…

あの窮屈な体育の授業が、本来の意味のスポーツを感じさせるものだったら、私たちはもっと早い段階で、日常的に熱心に走るようになっていたのだろうか。体育の授業がもっと楽しいものになったら、いまとは比較にならないくらいたくさんのランナー(スポーツ愛好家)が生まれるのだろうか。たぶん、そうではないか。

みんなそろって走ったり、スポーツをしたりしなければならないというわけではないが、そうなるかもしれない人たちのための魅力的な入り口をたくさんつくっておいたほうがいいのではないか。体育の先生、よろしくお願いします。いや、スポーツの先生ですね。

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