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田中とイチロー、2人に共通する才能

新ポスティングシステムを利用しての大リーグ挑戦を目指していた楽天・田中将大の移籍先はヤンキースに決まった。大リーグの投手では史上5番目となる7年総額1億5500万ドル(約161億円)の超大型契約。23日に記者会見した田中は「世界一をつかむための戦力になりにいく。チームの勝利に貢献したい」と決意を述べた。田中が中学時代に所属していた野球チーム「宝塚ボーイズ」の監督で、オリックス時代にはイチローの打撃投手を務めていたこともある奥村幸治氏は、大きく成長したかつての教え子について「イチローと同じような才能を持っている」と指摘している。

奥村幸治氏

指示出さなくても、周囲の状況判断

――田中の移籍先がヤンキースに決まった。イチローが移籍しなければ2人は今年、同じピンストライプのユニホームを着ることになる。

「イチローが大リーグに行っただけでもすごいと思っていたのに、まさか田中までも行くとは思っていなかった。しかもこのままなら今年、2人がヤンキースという名門チームで一緒にプレーする。僕と関係があった2人がこうした巡り合わせになるのは不思議な縁を感じる。2人が一緒にグラウンドに立っているところをテレビで見られるかもしれないと思うとワクワクする」

――中学時代の田中はどんな性格だったか。

「キャプテンをしてもらっていたが、先頭に立って周りの選手を引っ張っていってくれた。こちらから指示を出さなくても周囲の状況を判断でき、チームメートに様々な影響を与えられる選手だった」

指先の感覚優れ、ボールの扱いうまく

ヤンキース入りが決まり、記者会見する田中=共同

「中学3年のときに関西選抜チームの一員としてある大会に出たことがあったが、相手もその地区を代表する打者ばかりなのに、変化球をまったく投げずに直球だけで勝負したことがあった。すごく負けず嫌いで、自分の力がどこまで通じるか試したいという意識がものすごく高い選手だった」

――そのころからボールは速かったか。

「中学3年のときには130キロを超えていたから、速いほうだったと思う。そして指先の感覚が優れていて、ボールの扱いがものすごくうまかった。器用だった」

――田中は中学時代からメジャー志向はあったか。

「メジャーに行きたい、ということを聞いたことはなかった。おそらくプロ入りして1、2年目もそんな考えは持っていなかったと思う。日本で実績を積むうちに、夢が徐々に膨らんでいったのではないか」

――イチローと田中、2人は何か似たところはあるか。

「同じような才能を持っている。"気づきの力"といったらいいのだろうか。周りを見ていろんなことを感じ取って、自分の中に取り入れる。そんなところが2人とも卓越している」

「勝てないときでも自分を信じて頑張ってほしい」と奥村氏はエールを送る=共同

打者に向かっていく姿勢忘れずに

――田中は昨年24勝無敗という球史に残る快投を演じて、楽天を創設9年目で初の日本一に導いた。投球のどんなところが素晴らしかったか。

「力で押すだけではなく、バッターの構えやタイミングを見ながら投げていた。投球術がものすごく上がっていると思う。試合の勝負どころを知っていて、そこで持てる力のすべてを出せていた。そうしたことができたからこそ、どんな試合でもきちんとゲームを作れたし、1年間負けない投球ができたのだと思う」

――大リーグではどんな投球を期待するか。

「メジャーにはすごい打者がたくさんいると思うが、どんな選手に対しても前向きに勝負しにいってほしい。向かっていく姿勢がなくなってしまうと将大でなくなってしまう。かといって熱くなりすぎずに、冷静さも持ち合わせて。昨年はそうした投球がきっちりできていたと思う。それを続けてほしい」

「ぶれない心」持つことが大切

――課題は何か。

「米国は広く、気候も様々なのでまずは体調管理をしっかりやってほしい。それから超大型契約ということで、ものすごくプレッシャーがあると思う。ちょっとの間でも勝てないと、手厳しいニューヨークのメディアから辛辣な記事を書かれることもあるかもしれない。そんなときでも自分の力を信じて頑張ってほしいと思う。どんな状況でも"ぶれない心"を持つことが大切なのではないか」

(聞き手は鉄村和之)

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