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スケート女子団体追い抜き、培った団結力 いざ

田畑・菊池・高木菜

個人種目ではメダルは遠いのに、3人が組むとぐっと近づく。スピードスケート女子団体追い抜き。高木菜那(日本電産サンキョー、21)、田畑真紀(ダイチ、39)、菊池彩花(富士急、26)が組んだ日本チームは、今季のワールドカップ(W杯)で4季ぶりに表彰台に立った。2大会連続のメダルへ、上昇気流に乗っている。

問われるチームワーク

団体追い抜きは2006年トリノ五輪から採用され、五輪では8カ国のトーナメント戦で争う。3選手が1組となり、2チームがリンクの対角で同時にスタート。女子は400メートルを6周滑り、最後にゴールした選手のタイムを競う。縦に隊列を組んだ3人は、空気抵抗を受けて負担が大きい先頭選手の交代を繰り返すため、チームワークが問われる種目だ。

銀メダルに輝いた10年バンクーバー五輪に続いて代表となったのは田畑のみ。残りのメンバーは、現状4番手の押切美沙紀(富士急、21)も含めて全員が五輪初出場組だ。だが、経験不足の心配は無用だ。田畑は「日本は3人が一つにまとまれる。(互いに)何も言わなくても分かり合える」とチームに全幅の信頼を置く。

メダル獲得へ計画的準備

一体感は合宿で培われたものだ。個人種目に主眼が置かれるスピードスケートは、そもそも団体戦への意識が乏しいうえ、選手の所属先もバラバラのためにチームとしての練習時間は限られていた。日本スケート連盟は、メダルが狙える団体追い抜きに特化した強化合宿を昨季から継続的に行い、計画的に準備を進めてきた。

科学の力も後押しする。昨季から長野市のエムウェーブの天井にはリンク全体をとらえるカメラが28台設置され、日本連盟の科学班などは滑走の軌跡や瞬間スピードなどを分析してきた。菊池は「何度も映像を見ながら、合宿で戦略を練ってきた。先頭交代を一番意識して、どのタイミングで(コースを)膨らんだらいいのか、体で感覚を覚えてきた」と研究の成果を強調する。

力をつけてきた日本が、息の合った滑りを見せたのが今季W杯初戦のカルガリー大会だ。スムーズな先頭交代、そして乱れることのない隊列で最後までスピードを維持し、日本新記録で2位。第2戦ソルトレークシティー大会も日本記録をさらに更新して4位につけた。田畑は言う。「久しぶりに上位に食い込めた。自分たちでもやればできるんだぞと、勝負に行くという気持ちになれた」。チームに自信が芽生えている。

スタミナ切れ想定し練習

6日からエムウェーブで始まった代表合宿では、終盤にスタミナが切れて1人だけスピードが落ちた場合を想定して、後方から前方の選手を軽く押して滑りをサポートする新たな試みを始めた。W杯第4戦のベルリン大会で田畑が失速して7位になった経験を踏まえ、菊池が「練習した方がいい」と声を上げたという。日本が誇る団結力を世界の舞台で見せる。

〔日本経済新聞朝刊1月11日掲載〕

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