2019年3月27日(水)

介護尽くしたのに…嫁の悲劇 相続で蚊帳の外

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2014/1/12 7:00
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 高齢者の介護は多くの苦労があるが、それが遺産分割で報われることは少ない。一般に介護の当事者でなかった相続人の理解を得るのが難しく、親族は互いに助け合って暮らすという民法上の義務もあるからだ。義理の親と同居して献身的に介護をした嫁でも、いざ相続が発生すると理不尽な思いをすることがあるのが現実。ただ遺言を活用したり、養子縁組してもらったりすれば介護の苦労が報われる可能性もある。

「それって私のことよね」――。首都圏在住の主婦、柳沢洋子さん(仮名、58)は昨年11月、夫の稔さん(同、60)とともに出かけた金融機関の相続セミナーではっとさせられた。「お嫁さんが義理の親を介護していると、相続でもめやすいですよ。遺産が自宅しかない場合は注意してください」という講師の声が耳を離れなかった。

柳沢さんは義理の母である貞子さん(同、93)名義の家に同居して身の回りの世話をしてきた。90歳を超えて足腰が衰えた貞子さんの介護は気が抜けない。これまで「嫁だから仕方がない」と考えてきたが、相続で住む家を失うかもしれないと知り、心中穏やかで居られなくなった。

貞子さんの法定相続人は同居する長男の稔さんと、離れて暮らす次男(57)、長女(55)の3人。財産は自宅のほかに預貯金が少しあるだけで、仮に次男と長女がそれぞれ法定相続分を主張すると、家を売却して現金を分けるか、稔さんが弟妹の相続分の現金を用立てるしかない。貞子さんが遺言を書いてくれればいいが「介護しているのだから遺言で家をください」と頼むのは極めて難しい。

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