/

出産カバーする医療保険、妊娠前の加入が安心

ファイナンシャルプランナー 和泉昭子氏

 最近妊娠したことが分かりました。初めての出産で不安なので、いざというときに備え医療保険への加入を検討しています。商品の選び方や加入する際の注意点を教えてください。(大阪府、女性、34歳)

医療保険は病気やケガで入院したり手術したりしたときに給付を受けられます。出産は病気ではないので、正常な分娩なら給付はありません。ただ妊娠する前に加入していれば帝王切開などの手術、重度のつわりや切迫早産による入院などのトラブルがあったとき保障の対象となります。

相談者のように妊娠している人が加入する場合は保険会社によって対応に差があります。妊婦の体の状態などにもよりますが、保障内容に制限が付くことが多く、契約自体ができない場合もあります。

保障内容の制限で一般的なのが、現在の妊娠中にトラブルがあっても保障されないケースです。「特定部位不担保」などと呼ばれ、子宮や卵巣、卵管など特定の部位に起因する病気が契約から1年間程度、保障外になります。

商品を選ぶ前にはまず、医療保険でカバーしたい範囲を考えましょう。妊娠と直接関係がない病気やケガに備えるなら、保障の制限は大きな問題にはならないでしょう。逆に現在の妊娠でのトラブルがとても心配なら、対応する商品を選ぶ必要があります。

例えばライフネット生命保険の商品は正常妊娠なら現在の妊娠での帝王切開やその際の入院も保障対象となります。ABC少額短期保険は妊娠19週までに契約すれば、帝王切開の手術が対象です。

もちろん医療保険に加入しない選択肢もあります。出産すると加入する健康保険から出産育児一時金が1人につき42万円払われるので、最低限の出産費用は賄えます。帝王切開で出産する割合は約19%(2011年、厚生労働省調べ)ですが、健康保険の範囲です。トラブル時の自己負担分は貯蓄でカバーすることもできるでしょう。

若いうちは自分の病気や医療費について考えることは少ないと思います。いずれ医療保険に入るなら妊娠前のほうが商品の選択肢が多く、手続きもスムーズです。これから妊娠を考える人は、今のうちに病気などの備えも考えておくことをお薦めします。

和泉昭子(いずみ・あきこ)
 東京都生まれ。横浜国立大学教育学部卒業。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了(ファイナンスMBA)。出版社、放送局を経て、フリーのキャスターに転身。95年にCFP取得。現在は生活経済ジャーナリスト、ファイナンシャルプランナーとして、メディア出演や講演活動で幅広く情報発信。厚生労働省の提言型政策仕分けチームメンバー、日本年金機構運営評議会委員などを務める。お金に関する著書多数。株式会社プラチナ・コンシェルジュ代表取締役

[日本経済新聞朝刊2013年11月27日付]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン