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監督たちの戦い ソフトバンク秋山監督、チーム再建へ厳しさ前面に

スポーツライター 浜田昭八

主力の故障と不振に加え、補強失敗に苦しんだ2013年のソフトバンクだった。5年目の秋山幸二監督は、初めてクライマックスシリーズ(CS)進出を逃し、パ・リーグ4位に落ちた。

土壇場で崩れた悔しいシーズンだった。セ、パ交流戦前は借金1の4位。交流戦は15勝8敗1分けで優勝したが、パの各球団が軒並みに好成績を収めたので、順位を1つ上げただけ。

投手陣崩れ悲劇的なシーズン閉幕

交流戦後も後半戦も一進一退を続け、爆発的な好調期がなかった。なんとか3位をキープしてCSに望みをつなごうとしたが、悲劇的な閉幕を迎える。

9月18日に1日だけ2位に上がったが、翌19日から閉幕までの14試合で3度の3連敗があって5勝9敗。8連勝の西武に蹴落とされた。「投げてみないと調子がつかめない投手が多い。打線もここ一番で打てず、安打の割に得点できなかった」と秋山監督はうめいた。

転落の最大原因は投手陣の崩壊だった。ローテーションを守った先発は15勝の摂津正だけ。そのエースも閉幕前に力尽き、3登板で2敗した。救援陣も乱れ、ダブルストッパーに当て込んだ五十嵐亮太、ファルケンボーグは抑えの機能を十分に発揮しないままに終わった。

11年暮れに先発3本柱の和田毅、杉内俊哉、ホールトンが米大リーグと巨人へ流出して以来、先発はコマ不足だった。補強は米大リーグで108勝のパディーヤ、元ヤクルト、メッツの五十嵐、ドラフトで人気の亜大・東浜巨だった。

「戦力は整った」との期待むなしく

「これで投手陣の戦力は整った」と首脳陣は期待したが、そろってアテ外れ。パディーヤは前腕を痛めて3勝6敗。後半戦で中継ぎに転向も戦力にならず、1年で退団した。五十嵐もスピードが落ち、3勝3敗12セーブを挙げるにとどまった。

東浜は活躍が遅きに失した。ドラフト同期のヤクルト・小川泰弘、巨人・菅野智之、楽天・則本昂大の活躍をよそに、フォームを崩して2軍暮らし。皮肉にもチームが転落した閉幕前に1軍へ戻り、初完封を含む3勝を挙げた。

このほか、DeNAから移籍の山本省吾、江尻慎太郎も投手陣の窮状を救えず、山本は1年で退団。期待の若手、武田翔太、岩崎翔らも伸び悩んだ。コマがそろわないから、継投策もよく裏目に出た。

攻撃陣も故障と不振組が多く、秋山構想は大きく狂った。2年目のペーニャ、新外国人ラヘアが4、5番にすわる打順でスタートしたが、2人とも故障して、シーズンを全うできなかった。

それでも、6年目の中村晃がブレークして1番に定着し、柳田悠岐、江川智晃が下位打線を引き締める明るい材料はあった。長谷川勇也が首位打者になり、2番今宮健太は62犠打のパ・リーグ記録をマークした。

秋季練習、ピリピリした雰囲気

だが、あと一押しの安打が少なく、攻撃の効率は悪かった。前年に比べて足を絡めた攻撃も少なくなった。それに、川崎宗則、小久保裕紀が退団したあとのリーダー不在が、まとまりを欠く原因になっていた。

チーム再建に、秋山監督はなりふり構っていない。秋季練習にはベテラン松中信彦らの参加も求めた。チームリーダーにならねばならない松田宣浩に厳しい叱声を浴びせるなど、ピリピリした雰囲気だ。

コーチ任せだった個別指導にも乗り出した。対象は若手野手にとどまらず、投手のフィールディングにまで及んでいる。DeNAから移籍1年目に働けなかった吉村裕基の三塁コンバートを試すなど、ナインを盛んに刺激している。

球団は「現場が求める要望には、最大限に応える」と、大型補強を約束している。だが、外国人の力は未知数だし、フリーエージェント(FA)戦線の行方も不透明だ。

数多い伸び盛りのホープに期待

幸いにもこのチームには25歳以下、伸び盛りのホープが多い。投手は東浜、岩崎、武田、山田大樹、千賀滉大、嘉弥真新也、野手は今宮、中村、柳田ら。さらに12球団で最多の育成選手も3軍で鍛えられており、支配下登録を狙っている。

このうち何人かは、中南米のウインターリーグへ派遣されている。大リーガーの卵たちのハングリー精神をたっぷり吸収してこいというわけだ。果たして、チーム再建に役立つ輝きを見せてくれるだろうか。

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