投信費用、日本も下げられる 米バンガードに学ぶ
CEOに聞く「顧客本位」哲学

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2013/11/16 7:00
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――あなた自身がバンガードに入った経緯と、CEOとしての抱負を。

「私は最初、ウォール街の大きな金融機関で働いていたが、バンガードの顧客本位の理念と社風にひかれて入社した。当時は資産が200億ドル未満の小さな会社だった。今後CEOとして米国以外でのバンガードの存在感を高めていきたい」

――バンガードの投信は日本ではごく一部しか売られていない。なぜか。

「コストの低さや品質には自信があり、日本で存在感を高めたい。壁になっているのは金融機関の手数料だ。我々は販売に伴って独立系財務アドバイザー(IFA)や金融機関が得られる手数料など(コミッション)を認めていない」

「米国や英国、オーストラリア、オランダ、香港などではコミッションが廃止される流れが起きている。IFAなどは投資家の運用残高に応じて、直接投資家から報酬(フィー)をもらう形に切り替わりつつある」

――日本では販売手数料廃止などの動きがまだ鈍い。

「個人の投信保有が増え、金融機関にプレッシャーを与えるようになれば変わる。そうなれば(金融機関が手数料を目的に投信の乗り換えを勧めることも減り)、保有期間も長くなるだろう。この流れはいったん始まれば迅速に広がる。例えば米国全体では、10年前はIFAにとってフィーベースの報酬は10%未満だったが、今では50%以上だ」

――バンガードでは自社の投信がバンガードの100%株主なので、投資家だけを見て経営できる。

「この方式は別に特許をとっているわけでなく、やろうと思えばほかの金融機関もできる。投資家のために、同じ方式が広がればいいと思っている」

(編集委員 田村正之)

[日本経済新聞朝刊2013年11月13日付に加筆]

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日本でもコスト見直しの動き

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