投信費用、日本も下げられる 米バンガードに学ぶ
CEOに聞く「顧客本位」哲学

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2013/11/16 7:00
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■日本の共済に通じる利用者本位

こうして見てくると、バンガードという会社の姿は、通常の金融機関と少し異なる。利用者(投資家)が事実上資金を出して運営し、実費を上回った分は利用者に還元するスタイル。それは日本の「都道府県民共済」など組合員組織の「共済」に似ている。共済も組合員がお金を出して運営、実費を上回った掛け金は決算後に返還するからだ。

もちろんバンガードは営利目的会社であり共済とは異なる。「徹底的な利用者本位の姿勢は共済に通じるものがある」(岡本氏)という意味だ。「自分たちの会社は低コストの選択を通じて、投資の風景を変えたと思っている」(社内教育を担当しているジャコブ・パントージャ氏)という従業員の高い抱負もそこから来ている。

一方、日本の投信は販売手数料も運用管理費用もデフレ下で上昇中。高い分配金を出せる仕組みをつくるため、新興国通貨などを組み合わせて商品が複雑化、コスト高が進んだ。「高分配金=よい投信」という投資家の錯覚が背景にある。

日本の投信運用会社の経営者からは「バンガードくらい大きな残高があればコストを引き下げられる」との羨望の声があがる。

確かに規模の差は大きい。しかしバンガードも創業者のジョン・ボーグルが「顧客本位の投信会社を」と1975年に創業してからまだ40年弱。資産の少ない時期から今と同じ経営方針を貫き、やがて顧客の信頼を得て、世界最大級の投信会社に育った。

日本でも少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)が始まり投信の残高は増えそうだ。どの運用会社がより顧客本位の商品を出しているか、投資家の見る目も強く問われる。

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日本でもコスト見直しの動き

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