投信費用、日本も下げられる 米バンガードに学ぶ
CEOに聞く「顧客本位」哲学

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2013/11/16 7:00
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運用残高は約240兆円。日本の公的年金の運用額の約2倍だ。「運用管理費下げ→低いコストを好感した資金流入で残高増加→運用管理費下げ」の好循環が続く。

日本の投信では、販売金融機関の収入は購入時の販売手数料だけでなく、運用管理費用の約半分は自動的に販売金融機関に入り続ける。しかしバンガードでは販売手数料がないだけでなく、運用管理費用の中でも金融機関やIFAに払われる分は存在しない。つまりIFAなど仲介業者が販売に伴って運用会社などから受け取れる収入(コミッション)はゼロだ。

仲介業者の収入は、投資家の運用残高に応じて、投資家が払う低い比率の報酬(フィー)だけだ。それでも投資家が納得して残高が増えればフィーが増えるので、バンガードの投信を勧めるIFAは多い。

投資家が手にするリターンはコストを差し引いた後のもの。つまりコストの低さは長期では成績に大きな影響を与える。バンガードの投信が長期になるほどリターンが好調になることが多い要因だ。

バンガードは指数に連動するインデックス投信のパイオニアとして知られ、残高の6割がインデックス型。しかし残り4割はアクティブ(積極運用型)投信。コストが高くなりがちなアクティブ投信の運用管理費用も平均0.28%と非常に低い。有能な運用者を厳選し長期で任せる姿勢との相乗効果で、成績も良好だ(表B)。

■投信買うと間接的株主に

従業員からは「有利な選択と思うので自分も妻もバンガードの投信を買っている」(コールセンターで働くウォルター・タトルさん)との声が多く聞かれる。

バンガードの特徴は経営形態にもある。運営する投信がバンガードの株を100%保有しているのだ。つまり投信を買えば、バンガードの間接的な株主になる。

通常、投信の低コスト化は運用会社の収益の減少要因なので株主は嫌がる。しかしバンガードでは投信の投資家が間接的な株主なので利益相反が生じない。「我々は投資家だけを見て仕事をすることができる」(個人部門担当のエリック・ダンカン氏)

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日本でもコスト見直しの動き

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