投信費用、日本も下げられる 米バンガードに学ぶ
CEOに聞く「顧客本位」哲学

(1/5ページ)
2013/11/16 7:00
保存
共有
印刷
その他
 高いコストや頻繁な乗り換えが問題とされる日本の投資信託。改革のヒントになりそうなのが、コストの低さで有名な世界最大級の投信会社、米バンガードだ。投資家自身が同社株を実質的に保有。投信の運用費用のうち実費を上回った分は還元するという運営スタイルは、利用者のために作られた日本の保険「共済」に似ている。来日した最高経営責任者(CEO)のインタビューとともに、その実像を紹介する。

ニューヨークから車で2時間。フィラデルフィア郊外に、緑にあふれた大学のキャンパスのような本社敷地が広がる。そこにはコストを下げるため投資家向けの郵送物を印刷する工場もある。印刷部門で働く入社24年のデボラ・モリナーロさんは「投資家の負担を減らすため役だっているのがうれしい」と話す。

元年金運用会社社長の投資教育家、岡本和久さんは昨年同社を訪ねた。「顧客本位の理念が従業員ひとりひとりに浸透していることに驚いた。『強欲(greed)』と評されるウォール街の文化とは全く違う」(岡本さん)

販路は個人への直販が4割、金融機関や独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)などが3割、年金などが3割だ。

顧客本位の姿勢を最もよく表すのが同社が設定する投信のコストの低さだ。投信の主なコストは購入時に払う販売手数料と保有期間中は払う運用管理費用。バンガードは投信を売るIFAや金融機関などに販売手数料を一切認めない。

■運用管理費は年々低下

運用管理費用(総経費率)は2012年の平均で年0.19%。日本の7分の1弱で、全米平均も大幅に下回る(グラフA)。しかも年々低下している。運用残高が増え収入が費用を上回ると、運用管理費用を引き下げて顧客に還元することを繰り返しているからだ。「要するに実費を上回った分は払い戻す」(バンガード・インベストメンツ・ジャパンの加藤隆代表)

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

日本でもコスト見直しの動き

電子版トップ



[PR]