攻めの姿勢と底力…安藤、3度目五輪の可能性あり

(3/3ページ)
2013/11/8 7:00
保存
共有
印刷
その他

五輪代表3枠をかけた最終選考会の全日本選手権までおよそ1カ月半。代表切符を狙う安藤にとって、非常に厳しい戦いとなる。

待ち受ける日本のトップ3は浅田真央(中京大)、鈴木明子(邦和スポーツランド)、村上佳菜子(中京大)。3人は、安藤が休養している間も現役を続け、その間に浅田と鈴木は世界選手権でメダルを獲得し、村上も昨季の世界選手権で4位に入った。安藤のハンディは否めない。

不利否めず、あっと言わせる演技必要

代表選考方法も安藤には不利だ。全日本で優勝すれば代表入りは自動的に決まるが、それは非常に難しいといわざるを得ない。表彰台に上がることが最低条件だが、2位、3位となった場合は、グランプリ(GP)シリーズの成績や世界ランキングなど、ほかの選手との比較で決まることになっている。

安藤はこの2シーズンの実績がない。代表の座に就くには、ほかの選手が崩れた末の2位、3位ではなく、自らの演技で周囲をあっと言わせるようにしないと難しいのが現実だ。ハードルは非常に高い。

ただ、彼女が本来の力を出せば、五輪の出場権を獲得する力はあると思う。気持ちの問題も大きいと思う。私はよく選手に「トップに立っても後ろを見てはいけない。後ろを見ると守りに入り、守りに入ると絶対に自分の演技ができなくなる」とアドバイスしている。

安藤は追われる立場から、今は追いかける立場、チャレンジャーとなった。東日本選手権のフリーで挽回したように、挑戦していく気持ちがないと、見ているものに訴えるものがない。攻めの姿勢は欠かせない。

時間との戦い、体をいじめ抜けるか

また、私の現役時代を振り返っても、「自分ができることに集中しよう」とすると、試合中に変な欲が出ることもなくなり、かえって演技が安定するものだ。安藤も「自分が持っているものを出す」という気持ちで臨めばいいのではないか。

五輪代表の争いは、安藤にとっては時間との戦いだ。技術的には何の心配もないだろう。この1カ月半でどれだけ自分の体をいじめ抜き、どうコンディションをつくるかに勝負はかかっているといえる。フィギュアスケートは試合になると何が起こるかわからないし、彼女が持っているものを全て出すことができたら代表になれるだけの力はある。3度目の五輪は、可能性はゼロではない。

(日本スケート連盟名誉レフェリー)

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
保存
共有
印刷
その他

フィギュアスケートのコラム

電子版トップ



[PR]