2019年6月19日(水)

資格取得やスーツも経費 会社員に節税のチャンス
「職務」認定、企業に戸惑いも

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2013/11/9 7:00
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国税庁は運用の具体例を示している(表C)。例えば資格取得が目的でも会計大学院の費用は認めない。「法科大学院と違い受験資格を得る支出ではない」(国税庁)ためだ。「研修費なら認められる余地がある」(税理士の野水鶴雄氏)が、企業や社員の疑問に答えるには不十分だ。

企業関係者からは「制度自体がおかしい」との声もあがる。例えば図書費など勤務関連費用は、必要なら企業の法人税上の損金になる。「それ以外に企業が認める費用があるはずがない」(情報サービス大手)

社員からの申請に企業はどう対応するのか。ある電機大手では利用したい社員に、まず総務部門に申請書を提出させることを検討している。本当に仕事に必要か疑問があれば所属部門長に判断を仰ぐことになるという。その上で社内の資格取得の補助などを受けているか、人事部門でチェックして証明印を押す流れになるようだ。

企業の対応は遅れ気味だが制度自体はスタートしている。会社員が自分の実際の所得や税額を計算し「税コストを実感することは家計運営でプラスに働く」(税理士の藤曲武美氏)のは確かだ。始まった制度が十分に周知されていない現状を改め、普及に向け企業も行政も取り組むべきだろう。会社員ひとりひとりが、制度の存在を意識することが一つのカギになる。

(編集委員 後藤直久)

[日本経済新聞朝刊2013年11月6日付]

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