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「ガウンなし」「病原体と戦う」 医療従事者たちの声

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、過酷な状況に置かれた医療現場。医療関係者は自身と家族の感染リスクと戦いながら治療に当たっています。医師や看護師だけでなく、診療放射線技師、薬剤師、救急隊員など最前線で働く人たちの声を自撮り写真と共に伝えます。

「誰も恐れてはいない」

ダイヤモンド・プリンセスの時から体外式膜型人工肺(ECMO、エクモ)を必要とするような重症患者が運ばれ、医療者の感染も懸念されましたが、スタッフは誰も「恐れ」はしませんでした。正しい情報をアップデートし対策を取ることで前向きな姿勢で診療しています。(横浜市立大学付属市民総合医療センター高度救命救急センター 谷口隼人助教) 

「病原体と戦いたくて」

国境を越え、社会を巻き込む病原体と戦いたくて感染症科医を目指しました。だから今の仕事は私がやらなくてどうする、と思っています。いつかこの経験を世界を救う仕事につなげたいです。

(自衛隊中央病院 田畑早季子診療科感染症内科医官)  

「身を守るガウンの入荷見込みなし」

自分の身を守るガウンの入荷見込みがありません。疲れ果てて家に帰っても、いつ病院から電話がかかってきてもおかしくない緊張状態が続きます。そんな時に「電話当番は僕が代わるよ。お風呂にゆっくり入ったら」と高校生の息子が言ってくれました。息子の成長とその気遣いに感動しました(自治医科大学付属さいたま医療センター 守谷俊救急科教授・科長)

「熱気でゴーグル曇る」

放射線検査では撮影の度に全身防護でエックス線装置を消毒するので、精神的・肉体的疲労が数十倍でした。熱気でゴーグルが曇って何も見えなくなることもあります。親が医療従事者だからと子供が非難されないか心配でしたが、幸せなことに私のまわりではねぎらう言葉をかけてくださる方ばかりで救われています。(国立国際医療研究センター病院 皆川梓診療放射線技師)

「絶対に媒介者になってはならない」

自分がかわいいというのは人間にとって当然の心理です。我々救急隊員もたぶんそうでしょう。しかし、時に医療の現場より先に立つ者として考えることは「自分は罹患しない」ことと「我々が絶対に媒介者になってはならない」ということ。単なる感染防止措置ではなく、意識を持つことが必要だと思っています。(千葉市消防局花見川消防署 長嶋弘明救急係長)

「命あってこその未来」

新型コロナに対してはこれまでの常識が通用しないことが多く、小さな決断にも大きな勇気を要します。暗い闇の中を手探りで進んでいる感覚に近いかもしれません。命あってこその未来です。どうか皆様も自分の体を守ることを優先し、日々の生活を送っていただければと思います。(国立国際医療研究センター病院呼吸器内科 坂本慶太医師)写真右

「悪夢見ることも」

感染症病棟は3月中旬からほぼ満床ですが、一人も失わないという強い意識で診療しています。面会できない家族に悪化の説明をするときは、電話の向こうで泣き崩れる方もいて心が折れそうになります。悪夢を見て十分に寝つけない時期もありましたが、感染を恐れず患者さんをケアする看護師の姿を見ると勇気づけられました。(埼玉医科大学病院感染症科・感染制御科 前崎繁文教授)

「土日問わずPCR検査」

PCR検査の迅速な報告ができるよう、技術訓練と環境整備に努め、3月から院内検査を開始。土日祝日を問わず多くの検査依頼に対応しています。検査を増やしてほしいという声をいただきますが、必要な試薬や消耗品の供給が不安定な状況です。一日も早く安定供給されることを願っています。(国立国際医療研究センター病院 本橋亜耶乃臨床検査技師)                

相談の電話 1日250件以上

東京都港区は大企業の本社が多いため、保健所では企業向けの感染対策の相談・調査等も行っています。相談の電話は多い時には1日250件以上あり、毎日深夜までの対応が続きました。全職員が一丸となり感染症法に照らした対応ができる体制を整備しました。現在は第2波への備えを整えています。(みなと保健所 新井久子 保健予防課感染症対策担当係長)

「使命感に燃える日々」

病院内の感染対策を中心に行う感染管理室で働いています。職員から感染対策や自身の健康状態に関する問い合わせが殺到。長持ちするPHSの電池が夕方になくなることが何日もありました。専門知識を持つ感染管理認定看護師として使命感に燃える日々でした。

(国立国際医療研究センター病院 杉木優子看護師)    

「ビニールエプロンに感謝」

防護服やマスク、フェースシールドなどの医療物資の不足が深刻です。雨がっぱを消毒・洗濯し、繰り返し使っている状況を見て、地域の方が手作りの防護服(ビニールエプロン)を届けてくれました。皆さんからの支援に心から感謝しています。

(常滑市民病院 牧野みゆき感染症対策室副室長・看護師)      

「専用病棟の薬剤師」

新型コロナの患者が入院する専用病棟常駐の薬剤師として、持参薬の確認・服薬指導・薬歴確認・医薬品管理を行っています。最初は情報がなく不安でしたが、現在は感染対策を理解し、個人防護具を装着して業務を行っています。病棟スタッフは一丸となって患者さんのために頑張っています。(国立国際医療研究センター病院薬剤部 柴田有希子薬剤師)

「妻と息子へ感謝」

医療物資の不足に加え、研修医の教育が十分に行えず困っています。心身共に疲労してしまうことも。献身的に家庭を支えてくれている妻と、いつも笑顔をくれる最愛の息子に心から感謝しています。密閉、密集、密接の3密を避け、国民全体でこの難局を乗り越えて行ければと思います。(自治医科大学付属さいたま医療センター 福島史人救急科臨床助教)

「クルーズ船の患者を受け入れ」

クルーズ船から外国籍の患者さんを多数受け入れた時は、大変と思うこともありました。しかし、仲間や支援の方々と協力し合い、病気に苦しみ不安に悩む患者さんに寄り添ったことは看護師としての使命を果たせたと信じています。私にとって貴重な経験となりました

(自衛隊中央病院 吉ノ薗道子看護部看護主任)

「責務を全う」

私自身も頻繁に体温を測定したくなり、感染が心配な日々もありましたが、皆様からの温かいご支援とスタッフの熱意に励まされました。特定感染症指定医療機関としての責務を全うすべく、職員一同が安全を心がけ活動しています。

(常滑市民病院 野崎裕広副院長・医師)    

「公衆衛生を守る

プライバシーに配慮しながら患者に必要な情報を聞かなければいけません。疫学調査の応対をした患者が退院の知らせを届けてくれたときは、節目の状況を共に祝うことができ感慨もひとしおです。電話やメールの向こう側にいる対象者の生活に思いをはせながら、公衆衛生を守るべく保健所の職員として業務に努め続けてまいります。(江戸川保健所 山崎明保健師)

「武漢からのチャーター機に対応」

中国・武漢市からチャーター機で帰国した方の検診受付が最初の対応でした。感染と隣り合わせの不安に駆られながらも、命を守る医療従事者として使命感を持って対応しています。皆様からの多くの支援に感謝し、感動を胸に本日も新型コロナに負けないよう頑張っていきます。

(国立国際医療研究センター病院 大樂雅弘診療情報管理士)

「1カ月で5キロ痩せ」

この1カ月で5キロ痩せ、ユニホームをサイズダウンしました。厳しい状況ですが、まわりのスタッフと協力し合いながら、乗り越えていきたいと思います。

(常滑市民病院 小柏均臨床検査センター主任)

写真映像部 淡嶋健人、三村幸作、樋口慧が担当しました

新型肺炎

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