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W杯新戦力、大迫と柴崎が示した可能性
サッカージャーナリスト 大住良之

(3/4ページ)
2013/8/9 7:00
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ふだんならジュニーニョが蹴るPK。しかし鹿島の選手たちは大迫に蹴るように言った。ハットトリックを完成させようという思いやりのように見えた。

立ちはだかった「PKストッパー」

セニはGKながらプロとしてPKやFKなどでこれまでに112ゴールも挙げている「世界記録男」。同時に「PKストッパー」としても知られている。長年の経験に裏打ちされた読みと188センチの長身が、大迫の前に立ちはだかった。

大迫のキックは右に飛んだが、セニは見事に反応し、これを止めた。しかしセニは、明らかに大迫が蹴る前に1メートル以上前に出て、そこからダイブしていた。シンガポールのエドウィン・ツーリアン・リー副審が旗を高くあげて反則があったことをアピール、同じシンガポールのアブドゥル・マリク・アブドゥル・バシル主審は再キックを命じた。

このとき、鹿島ベンチのトニーニョ・セレーゾ監督はキッカーを替えるよう指示を出した。しかしMF小笠原満男ら選手たちは、再度大迫に蹴らせることを決めた。

やり直しのキック。大迫は左上を狙った。しかし軟弱なピッチに立ち足の左足が滑り、態勢が崩れてボールはバーを越えた。大迫が滑った後には、大きく芝生がめくれ上がっていた。

同点後、サンパウロの闘志に火

最終的なPK失敗が65分。その10分後、鹿島は同点に追いつかれる。3-1にして安全圏に逃げ込めたはずが、逆に2-2に追いつかれてしまった。この後、大迫の頭にあったのは「何とか3点目を」という気持ちだっただろう。自身のハットトリックより、なんとかチャンスをゴールに結びつけることだけを考えていたはずだ。

しかし同点に追いついてからサンパウロの闘志に火がつき、鹿島は防戦一方に追い込まれる。チーム全員で守り、何とかしのぎ、4年連続で2-2からPK戦かと思われた追加タイムに、大迫は思いがけなく「ハットトリック」を達成するのだ。

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