マスク越しに聞く 緊急事態宣言下の工夫と不安

社会・くらし
2020/4/18 2:00
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新型コロナウイルスの感染防止対策で、緊急事態宣言の対象は全国に広がり、政府が全世帯への配布を目指す布マスクは感染者が多い東京都内で届き始めた。マスク不足が続く中、人々はどう工夫して生活し、どのような不安を抱えているのか。多様なマスク越しに聞こえる、さまざまな声を集めた。

■専門学校1年生 星先優奈さん(18、千葉市)

「4月から美容系の専門学校生となったが、入学式は延期で授業もまだ始まらない。高校の卒業記念に友達と東京ディズニーランドへ行く予定だったが臨時休園でまだかなえられていない。新型コロナウイルスは早く消え去ってほしい」

■元デザイナー(67、東京都杉並区)

「出かけることが少なくなったので家でスクワットをしている。週2回、阿佐谷から新宿まで2時間のウオーキングも続ける。息子夫婦とコミュニケーションを欠かしていないので、不安は何もない。マスクはハンカチを縫って作った」

■小学6年生(11、東京都世田谷区)

「マスク配達が始まったというニュースが気になってポストを見にいったら本当に入っていてビックリ。いつもしている子供用のマスクと比べると少し大きいかな。友達が感染していないか不安。早くサッカーチームのみんなに会いたい」

■手話通訳者 江原こう平さん(44、東京都葛飾区)

「口元が見える透明のマスクは、難聴者には必要なものだがストックがない。息で曇ったり、光の反射で見えにくくなったりもするが、検証して改めて生産してほしい。今回譲り受け、記者会見などの手話通訳の際に試行的に使っている」

■ウガンダからの政治難民(50、千葉県)

「支援者の援助で困ったことはなく感謝している。ウガンダもロックダウンされ、残してきた2人の奥さんと6人の子供のことは心配。でも帰国したら殺されるかもしれない。いましなければならないのは、ビザの資格を変更し早く働くことだ」

■パン卸自営業(41、東京都町田市)

「家の掃除で出てきたTシャツを使い、マスクを手作りしました。睡眠と食事に気をつけることで、体調を整えています。取引が3分の1に減り、補償がどうなるかが心配。空き時間に自社のホームページを制作して今後に備えます」

■小学1年生(6、東京都杉並区)

「マスクを、かか(お母さん)が作ってくれた。かかは、おうちで仕事をしています。子どもと遊ぶのも仕事だと思う。(気分転換に)ベランダでおやつやご飯を食べて楽しいけど、ずっと家にいて友達と会えないのはいやだ」

■商店街組合事務職員 泉快さん(43、横浜市)

「マスクがないねと話していたら知人が譲ってくれたマスク。隔日出社で通勤時も満員電車は避けている。今の自粛要請はちょっと中途半端。海外のようにはっきり休みなさいと言わなければ日本人は休めないのでは。コロナが終息するか不安です」

■大学院生 ソ・ユキンさん(23、東京都国分寺市)

「普通のマスクが欲しかったが、店舗でもネットでも売り切れで、唯一ネットで買えたのがこのマスクだった。息は楽にできるし、アルコール消毒を見つけたら体に吹きかけるようにしている。感染に気をつけていれば不安なことはない」

■大学院生 リュウさん(23、東京都中野区)

「ネットで購入した水色のマスク。先日はコンビニで白色のマスクも2枚購入できた。消毒ジェルを持ち歩き、外ではトイレなどに立ち寄らないようにしている。自分が病気になったらどうすればいいか分からず不安。かからないようにするしかない」

■フォトグラファー 渡辺慎一郎さん(43、埼玉県川口市)

「在宅勤務ができない仕事で通勤している。70歳近い親が住む実家には帰らないようにしています。その代わりに週に1、2回は電話やメールで連絡を取り合っています。使い捨てマスクがなくなったので、いまは登山用品で代用しています」

■元小児科医 阿部忠良さん(84、東京都豊島区)

「通っていたデイサービスが営業休止してしまった。天気のいい日は妻と散歩。被害者にも加害者にもなりたくないので、毎日体温を測っている。会えない孫たちから最近手紙が届いた。『手洗い、うがいをしてね』と書いてあった」

■元居酒屋店員 アミト・ビスワズさん(27、埼玉県川口市)

「時給1100円で働いていた居酒屋が、客が来なくなって閉店。仕事がなくなってしまった。家賃が払えなくなったらインドに帰るしかない。2年前に日本語学校を卒業してから一生懸命働いてきたのに、こんなことになってしまいこれから心配だ」

■IT企業勤務(千葉県印西市)

「世界中が過剰なパニックになっていると思う。家に閉じこもって精神的に不安定になったり暴力が起きたりするほうが深刻で、ウイルスより怖いのは人間の心。私は普段通りの生活を送り、子どもも元気で保育園に通っている」

■主婦(75、東京都杉並区)

「家族では毎朝熱を測って異常がないことを確認しています。50年以上続けているテニスができないのが残念ですが、もっと苦労している方たちがいるので、ぜいたくは言えません。日よけマスクをつけて体を動かしています」

■メーカー技術職 笠井健さん(36、東京都豊島区)

「在宅勤務のため、家族としか話さない日々が続いている。保育園も休みになったので、子どもたちもストレスがたまっていると思う。友達と遊ぶこともできない。5月6日までの期限があるので我慢できているが、終わりが見えないとつらい」

■主婦 湯川民恵さん(53、東京都渋谷区)

「買い物の頻度を少なくして、おかずのバリエーションがある食事でたくさん作り置きしています。父が認知症を抱え、自身は出かけることが少なく、私や母がウイルスを持ち込まないか日々心配。消毒は毎回こまめにしています」

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