小澤征爾(5)ラグビー少年
隠れて練習、指の骨折る 「指揮者はどうか」先生が促す
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成城学園中学に入ってしばらくすると、同級の松尾勝吾(あの新日鉄釜石の松尾雄治の叔父だ)に誘われてラグビーを始め、たちまち夢中になった。ポジションはフォワード。放課後は毎日、夕方遅くまで運動場を走り回った。
豊増昇先生のピアノのレッスンがある日は、泥まみれの格好でお宅へ通う。兄弟弟子にはいま「左手のピアニスト」として活躍する舘野泉がいた。昔から貴公子みたいな男で、しゃれてモダンな奥さんにとても気に入...
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