2019年9月22日(日)

株保有、3~5年じっくり 売り時は2つの視点で
資産運用アドバイザー 尾藤峰男氏

2013/8/2 7:00
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 株式投資で老後資金を準備したいと考えていますが、売却のタイミングで迷った揚げ句後悔することが多いです。いつ利益確定をすればいいのか判断基準を教えてください。(千葉県、40歳、男性)

投資家心理は相場が上昇傾向になると強気になり、下げ基調になると弱気になるので「高く買って安く売る」になりがちです。個人投資家には「2、3割上昇したら利益確定」「1割下がれば損失覚悟の売却」といったルールを決めている例も目立ちますが、必ずしもうまくいきません。

まず、投資の入り口で少なくとも3~5年は保有するというスタンスを固めましょう。株式投資は本来、企業の成長性を買うもの。期待通りに成長しているかどうかを評価するには3~5年程度の期間が必要です。

業績が拡大する企業は株価がいくら上がっても持ち続けることです。2、3割の上昇で売らずに持ち続ければ2倍、3倍になる企業も出てきます。市場全体の状況から株価が一時下がっても、業績が堅調であればいずれ回復すると見込まれます。

では利益確定の時期をどう判断したらいいでしょうか。まずは企業の利益成長が従来ほど期待できなくなったときです。

企業が高成長から安定成長に入り、利益の伸び率が低くなったり減益に転じたりしたときは利益確定を検討するタイミングでしょう。ただ安定成長期に株主還元を厚くする企業もあり、その場合は継続保有もいいかもしれません。

もう一つは投資の前提が変わった場合。製品・サービスの競争力、高い市場シェアなど投資の根拠がなくなれば含み損があっても売却が選択肢となるでしょう。有望と見込まれる銘柄に乗り換えるとき、投資以外に資金が必要になったときも同様です。

こうした長期投資を続けるには日本株に限らず海外まで対象を広げてリスクを分散することが必要です。新興国、先進国と地域を広く分散しましょう。

株式は10銘柄以上持つと分散効果が強まるとされます。食品、IT(情報技術)関連といった業種の分散も運用資産全体の安定に有効です。海外の個別銘柄の投資判断が難しい場合は、コストも安い海外上場投資信託(ETF)も検討対象でしょう。

尾藤 峰男(びとう・みねお)
ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)。びとうファイナンシャルサービス代表取締役。早稲田大学法学部卒。大手証券で法人営業や海外現地法人に勤務し、独立。金融機関から独立した立場で、個人の金融資産運用の助言業務を手がける。雑誌などへの寄稿やテレビにも出演。著書に「いまこそ始めよう 外国株投資入門」(日本経済新聞出版社)。

[日本経済新聞朝刊2013年7月31日付]

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