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ロッテ井口、盗塁王が極めた引きつけて打つ技法

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2013/7/30 7:00
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長打はそこそこ打てるものの、打率は上がらない。入団して4年目までは「打撃で悩んでいた」時期だった。2000年には左肩を故障し、戦線離脱も余儀なくされた。

盗塁で意識改革、投手を観察・研究

その状況を打破するために目指したのは「盗塁王」だった。ダイエーの同期入団でバリバリ活躍している松中信彦、柴原洋を追い抜くためにも、何らかのタイトルをとることが存在証明になる。当時の島田誠コーチのアドバイスで、具体的な目標が定まった。

「1カ月に5個」とか「1週間に1つ」などとシーズンを小分けして考え、逆算しながら盗塁を積み上げた。01年には44盗塁で念願のタイトルを獲得。走るための努力は打撃にも好影響を及ぼした。盗塁数を増やすためには、まずは出塁しなければ話にならない。「なんとしても塁に出たい」という意識が打撃スタイルを変えることになった。

スタートのタイミングを計るためには、投手の観察が必要だった。マウンド上での動作のクセに加え、自分より後ろの打順の打者に対する配球を読むことも重要になる。その結果が「より一層、ピッチャーを研究するようになった」。

00年秋のキャンプから取り組んだ二塁手へのコンバートも打撃向上を後押しした。それまで守っていた遊撃とは、併殺などの際に逆の動きをすることになり、体のバランス改善や体幹の強化につながった。一塁への送球距離が短くなったことで、無理に前進せずにボールを引き付けて捕球するケースが増え、打席でも「前に突っ込まなくなった」という思わぬ効果を生んだ。

本場の大リーグでも打撃スタイル不変

もちろん打撃そのものに磨きをかけることは怠らなかった。通常よりも捕手寄りにボールを置いたティー打撃。ミートポイントを後ろに意識したフリー打撃。スイングスピードを上げないとボールが前に飛ばないという練習を繰り返し、完成したのが「引きつけて打つ」打法だ。

投球をなるべく長く見て、できるだけ体に近いところでとらえる。手元で変化する球への対応を可能にする「懐の深い」打撃フォーム。投手からしてみると、通常なら打ちとったというところからバットが急に出てくるという感じを覚えるらしい。

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