NISAに賭ける投信 手数料ゼロで若い世代争奪

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2013/7/27 7:00
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投資信託にコスト革命の予兆が見えてきた。導火線は少額投資非課税制度(日本版ISA=NISA)。売買を繰り返す高齢層から得る手数料だけに頼らず、コストを下げ若い投資家を育てる。そこに市場の未来がかかる。

「我々が扱う投信はすべて販売手数料をゼロにします」。201X年3月、東京・両国の国技館で開かれたSBI証券、カブドットコム証券などネット証券大手4社のイベントはサプライズ発表に沸いた――。

「こんな妄想をすることもある」と語るのは、ある大手幹部。4社でネット専用ファンドの開発など「資産倍増プロジェクト」を手がけ、年1回、イベントを開いており、投信の預かり資産は合計で約1兆4000億円まで積み上がった。

個人の株式取引で市場を席巻するネット証券は、販売手数料ゼロの「ノーロード投信」を増やして攻勢をかけたい。だが、証券会社や銀行の営業担当が汗水たらして売り歩く人気投信を、ノーロードで扱うのは難しい。4社の投信のシェアは預かり資産ベースでまだ2%。販売を対面営業に依存する投信会社との交渉がまとまらないからだ。

■費用は平均2.77%

販売手数料は運用方針やリスク、分配金などを説明したうえで契約手続きをするサービスの対価として、販売会社が投資家から受け取るものだ。投信評価会社モーニングスターによると、費用は日本の株式投信の場合、購入金額に対し平均2.77%。通貨選択型の毎月分配型投信など商品設計が複雑になった影響もあり、じりじりと上昇している。米国などとの比較で投資家の負担が重いとも繰り返し指摘されている。

ところが、にわかに風向きが変わってきた。NISA口座の争奪戦を契機に、大手証券やメガバンクがノーロード投信に目を向け始めたのだ。ネットで価格比較することに慣れ、コストに敏感な若い世代にアピールするためだ。

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