2018年7月19日(木)

住宅ローン「固定金利特約」、期間終了後に注意
ファイナンシャルプランナー 久谷真理子氏

2013/7/26 7:00
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 近々、35年返済で住宅ローンを借りる予定です。最初の一定期間、固定金利になる「固定金利特約」なら当初1年や3年は年1%前後で借りられるようです。注意すべきことはありますか。(東京都、男性、35歳)

 住宅ローンは実際に借りるまで金利が決まらないのが一般的です。物件の引き渡しが9月なら住宅ローンも9月の金利で借ります。

 今年5月から住宅ローンの長期固定金利が上昇しましたが、短期固定金利はそれほど上がる気配がありません。5年までは大手銀行で年1%台の例や、3年固定金利を年0.6%に下げる動きもあり、低さが目立ちます。

 金利が低ければ毎月の返済額を抑えられ、ローンの元本を早く返すこともできます。ある大手銀行の7月の金利で比べてみましょう。35年の長期固定で3000万円を借りると金利は年3%弱。返済を始めてから3年後の時点でローンは約2850万円残ります。一方、年0.6%の3年固定金利で借りた場合は同2770万円程度と、80万円も早く返済が進みます。

 ただ、固定金利特約は注意点があります。固定金利が適用されるのは最初の一定期間だけです。「全期間固定金利」は返済が終わるまで金利が変わりませんが、固定金利特約は特約期間が終わると、原則変動金利になります。金利が将来上がる可能性があるわけです。

 さらに固定金利特約は銀行が基準として決める住宅ローン金利が変わらなくても、返済期間中に上がる懸念があります。銀行は一般的に、基準とする住宅ローン金利から条件に応じて実際の返済金利を引き下げます。この引き下げ幅が特約期間だけ大きいことがあります。基準の金利が同じでも特約期間が終われば引き下げ幅が縮小し、返済金利は上がります。

 引き下げ幅が年1%近く縮小する例がよくあります。ある大手銀行では当初3年は年0.6%でも4年目から引き下げ幅が小さくなり、基準金利は同じでも返済金利は年1.5%に上がります。3000万円を35年返済で借りる先ほどの例では、4年目から毎月の返済額が1万円以上高くなります。

 固定金利特約は将来、金利が上がる可能性があることを念頭に、余裕を持って返済できる資金計画にしましょう。

久谷 真理子(くたに・まりこ)
 ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)。株式会社フリーダムリンク専務取締役。慶応大学法学部卒。都市銀行で融資業務に携わった後、独立。ライフプランから見た資金計画、不動産、相続などの相談業務などを手がける。セミナーで講師を務めるほか、雑誌や情報サイトでも執筆している。

[日本経済新聞朝刊 2013年4月17日付]

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