/

論理的にグリーンを読めば5打は縮まる(1)

 6月に発売された「ロジカルゴルフ 実戦ノート」(日経プレミアシリーズ)が大好評の尾林弘太郎プロ。第1弾の前作「ロジカルゴルフ スコアアップの方程式」(同)も大ヒットしたが、いずれも尾林プロが延べ2万人をレッスンしてきた「本当に上達する事柄」を論理的にまとめた力作である。今回は特別にパッティングについて、論理的思考に基づく技術で腕前を上げる方法を指南してもらった。(日本経済新聞出版社「書斎のゴルフ Vol19」から)

うまくなる、ならないの違いは

――尾林プロが考案し、提唱している「ロジカルゴルフ」の基本的な考え方をまとめた「ロジカルゴルフ スコアアップの方程式」が昨年の春に出版されるや、とても好評で増し刷りを重ねましたが、その第2弾「ロジカルゴルフ 実戦ノート」が先月刊行されました。早くも大評判ですね。

尾林 本当に嬉しいことです。「ロジカルゴルフ」は、私が30年近く延べ2万人のゴルファーにレッスンしてきて、うまくなる生徒とそうでない生徒がいるのはなぜだろうかと疑問に思い、その違いを明確にしていくことから、上達法を編み出したゴルフ理論です。

――尾林プロの長年の研究成果が見事に理論づけられた素晴らしいゴルフ書と思いました。ゴルフを長くやっても上達できない「停滞ゴルファー」は、「上級ゴルファー」の思考を持つことで、うまくなることを説いた本でした。長年、一生懸命にゴルフをしてきても壁にぶち当たっているゴルファーには、本当に目から鱗のお話ばかりです。

論理的にグリーンを読んでパッティングを上達させる方法を紹介する

知って理解、上達早まる

尾林 私は練習場でのレッスン、コースでのラウンドレッスンのほかに、講座というか座学を行っていますが、この本はそこでお話ししている内容でもあり、そのことを知って理解してから実際にボールを打ったりラウンドしたりすれば、上達のスピードがうんと早まります。前作は練習場での練習の仕方をメーンに「ロジカルゴルフ」の基本ともいえる考え方をお話ししました。2冊目はコースでラウンドしたとき、何を考えてからボールを打つのかについて細かく解説しています。

――1ストロークを打つときに考えなければならないことが詳しく書かれていますよね。それは15項目もあるのに、プロや「上級ゴルファー」はそれを瞬時に判断してボールを打っていることがわかりました。90を切るレベルならばせいぜい3つから5つでしょう。そして、それぐらいの項目チェックしかできなければ、いつまでたっても90を切るレベルということになりますね。

1ストロークを打つときに気をつけるべき点は15項目に上る

確認、1ストロークに15項目

尾林 その通りでしょうね。常に80台であがれるようになり、70台が出るようになるには、チェックできる項目をどんどん増やしていくことです。15項目をチェックし、それが実行できれば、スコアはグンとよくなります。

――本当にそう思いました。「ロジカルゴルフ」を実行しなければ上達はないと思いました。

尾林 「ロジカルゴルフ」を知るだけでもスコアはよくなりますが、真に上達を目指すなら、それをもとにしっかりと練習をしなくてはなりません。ゴルフは魔法のようにうまくはなれませんから。「停滞ゴルファー」ほど魔法を求めますが、努力なくして上達はありません。ただし、「ロジカルゴルフ」を実行すれば効率よく、短期間に上達できると思います。

――壁が打破できるということになりますね。

尾林 そう思います。

――今回はパットについて、「ロジカルゴルフ」レッスンを行ってもらおうと思います。

尾林 アプローチやパットなどのショートゲームに関しては、それをまとめて「ロジカルゴルフ」本の第3弾として来年の出版を計画しており、その触りということで紹介しましょう。

――よろしくおねがいします。

カップの周り4方向から

尾林 まずは練習法のその1ですが、カップの周りにボールを4方向に置きます。カップから3メートルの距離で90度ずつぐるりとボールを置くわけです。こうして例えばカップの上、つまり、下りのパットから打っていきます。カップに入れるつもりで、ラインとタッチを考えて打ちます。例えばそれが明らかに下りであり、左に曲がるフックラインだったとします。とすれば、反対側のボールは上りのスライスになりますよね。先ほど打った下りのフックを参考に、ラインとタッチを考えて打ちます。このパットの結果で最初の下りのフックをどう参考にすれば上りのスライスをカップインできるかを学びます。

――なるほど、下りと上りでどれほど曲がりが違うのか、タッチを強くするのかを学ぶわけですね。

尾林 そうです。そして、今度は横にあるボールを打つ。同じように1つ打ったら、それを参考にして反対側のボールを打つ。自分の予想とどう結果が違うかを検証するわけです。入る、入らないよりも、予想と結果がどう違うのかを学ぶわけです。それを自分の脳にインプットしてメモリーとして蓄積するのです。

カップの周りにボールを4方向に置きパッティングの練習をする

予想と結果の記憶を蓄積

――パソコンで文章を打つと、パソコンが使う人の癖などを覚えて、使う漢字を覚えますけど、それと同じですね。

尾林 そうです。これを繰り返して4球ともうまく打てるようになったら、今度はカップから3メートルの距離でアットランダムにボールを4個置く。1つずつ打って予想と結果を考察して、4つめはカップインできるようにしていきます。アットランダムなら、3個でもいいです。予想と結果をメモリーとして蓄積します。

――練習グリーンでは1カ所から3個打ってタッチを整えようとしますが、このカップからぐるりのほうが、より実戦的ですね。

タッチを整えてから行う

尾林 この練習法はタッチを整えてから行うほうがよりよいと思います。最初に基準となる自分のタッチがあるほうが、より予想と結果のメモリーは正しくなりますから。

――ラウンドは3人とか4人で行うわけですから、この練習法は実際のラウンドのときにうんと役立ちそうですね。

尾林 いいところに気がつきましたね。その通りで、4人でラウンドすれば4つのボールがグリーン上にあるわけで、この練習と一緒の状況です。同伴プレーヤーが打つパットを大いに参考にできます。自分の順番が4番目ならカップインの確率がかなり高くなると思います。

――これまでも一緒にラウンドしている人のパットは参考にしていましたが、この練習をすると、もっと明確に自分のパットのラインや距離感がわかるようになる気がします。体験メモリーが増えるというか、訓練されるというか。どのように自分のパットを打つかの予測が高まると思います。

どこにどう打つかが重要

尾林 「停滞ゴルファー」は正確にストロークできるかの技術に目が向きがちですが、それ以上にパットの上達を目指すなら、どこにどう打つのかを把握できることが大事なんですね。

――練習とは違って、本番のパットは、同じ場所からたった1回しか打つことができません。となればいかに正しく読めるか、いかにそれをしっかり実行できるかが重要になりますから、この練習法はその1回を鍛えるのにとても効果がありそうですね。

尾林 その通りで、ゴルフの面白さ、難しさは、打ち直しができないというところにあります。目の前のボールはたった1回しか打てない。その1回のために情報を集められるだけ集めるということです。まずはそこに全力を傾ける、集中するということです。

――了解しました。

(次回掲載は7月25日 文:本條強 協力:栃木ヶ丘ゴルフ倶楽部)

 おばやし・こうたろう レッスンプロ。1962年東京都生まれ。16歳からゴルフを始め、22歳でレッスン活動をスタート。ジャンボ尾崎や中島常幸を育てた後藤修氏に師事し、延べ2万人を超えるゴルファーにレッスンしてきた。トップアマの和田貴之氏の指導をするほか、これまでに多くのアマチュアをシングル入りさせている。著書に「ロジカルゴルフ」がある。

書斎のゴルフ VOL.19―読めば読むほど上手くなる教養ゴルフ誌 (日経ムック)

著者:
出版:日本経済新聞出版社
価格:1,280円(税込み)

ロジカルゴルフ 実戦ノート(日経プレミア)

著者:尾林 弘太郎
出版:日本経済新聞出版社
価格:893円(税込み)

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン