税の不公平、マイナンバーでも 所得把握に抜け穴

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2013/7/6 7:00
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国民一人ひとりに番号を振り、税の徴収や社会保障給付に役立てようという共通番号(マイナンバー)法が国会で成立した。これで個人のおカネ回りが透明になり、公平な税負担や給付が実現すると思いきや、実はそう簡単ではなさそうだ。

■預金カバーせず

夫婦共に70代のAさん夫婦。東京都内で順調に商売を営んでいたが、数年前に事業をやめて不動産を売却し、郊外に引っ越した。今の収入はそれぞれ年70万円程度の国民年金だけ。ただし、事業の蓄えと不動産を売った際の銀行預金が1億円以上ある。利息はわずかだが、年金と必要に応じて取り崩している預金のおかげで悠々自適の生活だ。

この夫婦を低所得者とは考えにくいだろう。しかし、今の制度では年金収入だけで判断して様々な優遇が受けられる。「公的年金等控除制度によって、この夫婦は所得ゼロと見なされ、所得税住民税はかからない」(税理士の倉林倭男さん)。住民税の課税状況から負担額を決める介護保険料や特別養護老人ホームの部屋代、食費、高額な医療費を使ったときの自己負担限度額(高額療養費)も標準より安くなる。

もともとは政府が納税者番号として実現を目指してきたマイナンバー制度の導入で、この状況は変わるのだろうか。結論としては、変わらないとみられる。というのも、マイナンバーでは銀行預金やその利子を把握できないためだ。

税務当局は課税のために、様々な取引についてお金の支払者、受取者、金額などを書いた法定調書の提出を義務付けている(表A)。

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