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二刀流の大谷 日本ハムは"逃げ道"断つべし

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2013/7/2 7:00
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私は打者としての大谷も否定はしない。それどころか日本を代表する打者になりうる素材だと思っている。まず高校を卒業したばかりの選手で、あれだけバットを振り切れるのがすでに非凡な証拠。左打者だとすると左翼方向に合わせるだけなら、新人でもできるものだが、大谷は引っ張ろうと思えば引っ張ることもできる。

開幕3カ月、バツつけられぬ投打

上々のデビューを果たしたかのようにみえる新人でも、すぐに弱点を覚えられ、そこを徹底的に攻められるようになる。それによって、それまで打てていたコースも打てなくなるというのがありがちなパターン。いわゆるプロの壁だ。ところが大谷はその壁にぶつかる気配もない。

開幕から3カ月。投打ともとてもバツはつけられないし、むしろ上出来の部類だろう。だから「どちらも続けさせたい」となるわけだが、そこが違う。今こそ勇気をもって、二刀流の看板を下ろすときなのだ。

普通のローテーション投手が中6日をかけて調整をするところ、大谷は野手として試合に出続けていて、投げ込みが絶対的に足りないのは確かだろう。それがフォームの不安定さにつながってもいるのだろうが、ここでやはり「覚悟」の問題になる。

爪の先ほどの甘えが大成阻むプロ

投打、どちらでもいい。「俺はこれで勝負する」と1点に絞って、"退路"を断たないと。大谷は普通の18歳よりは考え方もしっかりしているようだし、簡単には自分に妥協を許さないだろう。しかし「この道」以外の道が見えているとき、どれだけ自分に厳しい人間でも、どこかで必ず甘えが生じる。たとえ爪の先ほどの甘えであっても、大成を阻む要因となりかねない。プロの恐ろしさと正面から向き合わないまま、大谷が時を過ごしていく。それが一番怖い。

(野球評論家)

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