悠々球論(権藤博)

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二刀流の大谷 日本ハムは"逃げ道"断つべし

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2013/7/2 7:00
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大谷は高校時代にも160キロに迫る球を痛打されていたし、6月26日のソフトバンク戦でも内川聖一、長谷川勇也に本塁打を喫した。内川に投じた球は152キロ。それにあっさり合わされるということは何かが足りないのだ。

球速表示ほどの速さを打者が感じていないとすると、腕の振りやリリースポイントの関係で、ボールがみやすいのかもしれない。その点ではまだ同期入団の藤浪晋太郎(阪神)の方が、打者のタイミングがちょっとずつずれるような投球をしている。

160キロを生かすも殺すも変化球

それでもなお、160キロの魅力は捨てがたい。それだけで投手としては大きなアドバンテージで、ほかの選手より一段も二段も高いところからスタートできるのだ。カットボールとか、ツーシームとかちょっとタイミングをはずす球を覚えるだけで、投球は一変するだろう。

いい先例がある。楽天の田中将大も入団当初は速球を十分に生かし切れていなかった。

楽天のキャンプを取材したとき、当時の野村克也監督から「今のままでは変化球投手になる。直球で空振りを取れるように教えてやってくれ」と言われた。

「黙っていても、そのうち直球で空振りがとれるようになりますよ」と私は言ったものだった。

どんなに速くても、直球だけでは抑えられない。直球を生かすも殺すも変化球で、田中の場合はスライダーに磨きがかかってきたことによって、直球で空振りが取れるようになった。

打でも日本トップになりうる素材

速いけれど合わせやすいという点で、大谷の球質は中日の浅尾拓也と似ている。その浅尾がばりばりやっていたときに、三振を取れていたのは天下一品のスライダーとフォークを持っていたからだ。大谷も変化球の精度を上げることで、球速表示が150キロなら150キロなりの"額面"通りの威力を発揮するようになるだろう。

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