渡邉恒雄(2)哲学開眼
家族の死、運命考える 軍事教練 将校に歯向かう
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戦前の開成中学は私立でこそトップクラスだったが、府立一中のような公立ほどではなかった。質実剛健の校風で校章もペンと剣。文武両道を謳(うた)っていた。
2つのチームがボールを奪い合う「開成ボール」という体育の正課があった。殴ろうと蹴ろうと何をしてもいいというルールで、毎回けが人が出た。私も右足のすねにひびが入って1ヶ月ほど松葉杖で通学したことがある。
昭和14(1939)年。日中戦争はいよいよ激しく...
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