悠々球論(権藤博)

フォローする

"出番"間違えたコミッショナー

(1/3ページ)
2013/6/15 7:00
共有
印刷
その他

革など自然の素材を使う野球のボールの"飛び"には、もともと一定の許容範囲があって、飛ぶ球でも飛ばない球でも、試合に不公平がないように使われていればそれでいい。加藤良三コミッショナーはだれにふき込まれたか知らないが、そのボールをいじり、果てに今回の無断変更騒ぎ。「情けない」の一言だ。ボールにかまう前に、もっと大事な仕事があるだろうに……。

統一球問題について、12球団の代表者に説明する加藤コミッショナー(中)=14日

統一球問題について、12球団の代表者に説明する加藤コミッショナー(中)=14日

統一球の背景に国際大会への対応

もともとは各球団がそれぞれ使用球を決めていた。そのバラバラの球をコミッショナーが統一しようとしたきっかけはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)などの国際大会で、米大リーグの公式球をベースとする球に日本選手が戸惑ったことがあるという。

メジャーのボールは投手にとってはつるつる滑り、打者にとっては当時使っていた日本のボールより飛ばない。この先、国際大会を戦っていくうえでも何とかしなくては、となったらしい。

しかし、ボールの仕様を変えてまで備える値打ちのある国際大会がどこにあるか。五輪から野球は消えてしまったし、2009年のWBCを決勝まで取材した私のみたところでは本気になって取り組んでいる国は日本、韓国など少数だ。

メジャー最高の舞台、ワールドシリーズに日本の球団が進出するチャンスがあるなら、球でも何でも向こうの仕様に合わせて備えるだけの値打ちがあろう。しかし、今はそこまでして照準を合わせる国際大会は存在しない。

投手の勝ち負けにほとんど無関係

投手にとっても打者にとっても飛ぶ、飛ばないは死活問題だと思われている。投手なら防御率、打者なら本塁打数、打率というところにかかわってくるのでプロとしては無視できない問題ではある。

しかし、特に投手の勝ち負けというところになると、ボールの問題はほとんど関係なくなってくる。飛ばないボールを使ったとすると、投手が相手打線を抑えても、自軍の打線も打てないことになって、結局飛ぶボールも飛ばないボールも同じことになる。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
共有
印刷
その他

プロ野球コラム

電子版トップスポーツトップ

悠々球論(権藤博) 一覧

フォローする
記者会見で現役引退を発表するイチロー。驚く一方、昨年あたりからそろそろ危ないかもという虫の知らせもあった

 イチローの成功の秘密はひと言、「人のやらないことをやったから」――。野球評論家で、オリックスの新人時代からその才能に注目していたという「イチロー・ウオッチャー」、権藤博さんに引退の報に接しての思いを …続き (3/24)

25年ぶりにリーグ優勝し、胴上げされる緒方監督=共同共同

 戦力がなければ育てるのみ――。広島の25年ぶりの優勝は緒方孝市監督(47)を含め歴代の監督ら、現場の地道な努力と、選手を引き抜かれてもめげずにやってきた球団の我慢が実った優勝だ。金ならある、といわん …続き (2016/9/11)

打倒巨人の気構えを [有料会員限定]

 セ・リーグの球団を中心に、キャンプ、オープン戦をみて回っているが、面白くないのは「打倒巨人」の意気込みが伝わってこないことだ。どこの監督も口にはしないが、また2、3位狙いの低レベルの争いになりそうな …続き (2014/3/18)

ハイライト・スポーツ

[PR]