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イチローとシアトルのファン結ぶ言葉のない会話
スポーツライター 丹羽政善

(3/3ページ)
2013/6/10 7:00
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考え方は人それぞれだが、むしろイチローとシアトルのファンには、言葉のない会話が成立しているように見えた。これまでも、そして今回も。

「イチメーター」おばさんとの交流

8日朝、球場近くのカフェにいると、イチローのユニホームを着ている子供がいた。7、8歳の男の子だろうか。その横にいた母親と目が合うと、「イチローの大ファンなんです」と教えてくれた。

「今日もこれから、球場へ行くんですよ。この日をずっと楽しみにしていたから」

少なくともその男の子とイチローは、言葉などなくてもつながっているはずだ。

もっとも、言葉でも会話が成立している。

ライトスタンドの最前列でイチローの安打を数え、「イチメーター」おばさんとして有名になったエイミー・フランジさんは、イチローと球場で交わしたやり取りをこんな感じでツイッターにつづっていた。

「元気でしたか?」(イチロー)

「元気ですよ」(フランジさん)

「日本で有名ですよ」(イチロー)

イチローは、彼女が用意した帽子やカードなども受け取ったそうである。

また8日の試合後には、イチローが九回、彼女にボールを投げようとしたものの届かず、フェンスの手前に落ちると、イチローがゲラゲラ笑ったという様子がツイートされていた。

「見ている人は分かってくれている」

さて、ファンはイチローとの4日間を堪能した。

では、イチローにとってこのシアトルでの4日間とはどんな時間だったのか。

9日の試合が終わってからイチローに聞けば、「それを説明するのはやぼったい気がしますね」と言った。

「去年は説明する必要がありましたけど、わざわざ(誰かを通して)伝える必要はないと思います。見ている人は分かってくれていると思いますから」

この4日間がイチローにとっていかに大切なものであったか。それはあえて言葉にしなくてもファンらは理解してくれているだろう、という思い。そこには、確信めいたものがあった。

この日、すでに紹介した親子のほかにも、客席には"イチローが帰ってくる"ということで観戦している人もいた。そのことを最後に伝えるとイチローはほおを緩めて言っている。

「であれば、僕はうれしいですね」

「スポーツ」のツイッターアカウントを開設しました。

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