悠々球論(権藤博)

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どっち蹴れば怒り静まる? 壁か夢の中の審判か

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2013/5/21 7:00
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昨年同じユニホームを着て戦った中日の高木守道監督の「怒り」の表現にはハラハラさせられた。ベンチのみんながみている前で選手を叱ったり、スタンドのお客のやじに反応したり。その気性の激しさこそ、大選手となるのに必須の要素だったわけだが、気持ちの制御方法には一工夫あっていいかもしれない。

罵声をどう受け流し、こらえるか

プロ野球にスタンドからの罵声はつきものだ。お金を払ってみているお客は何を言ってもいい、というのが私の考え方だ。差別的なこと以外なら、何でも口にする権利がある。

したがってこちらとしてはどう受け流し、こらえるかが課題となる。

私も横浜(現DeNA)の監督をしていたときを含めて、やじを浴びてきた。スタンドのすぐ目の前を通る神宮球場や、かつての広島市民球場などが危なかった。

我々が負けて引き揚げるときに、お客もまた帰路につくわけだが、残っている人がいる。何か言いたいことがあるから残っているわけで、相当厳しい言葉が投げかけられるものと覚悟しなければならない。

じっと下を向いて目を合わせない

こうしてまず腹を決める。そしていざ罵詈雑言(ばりぞうごん)が飛んできたら、決してそちらを向いて目を合わせてはいけない。じっと下を向いて歩く。または取り囲んでくるマスコミの記者とのやりとりで気を紛らわすこと。

いわゆる"ぶら下がり取材"の輪は、記者の方には申し訳ないが、私にとってやじから守ってくれる格好の盾だった。

人間だから、誰だってカーっとなることがある。それをどうやって抑えるか、抑えられない怒りならばどこでどう吐き出すかというところに、人間性が出る。長年ユニホームを着てきたなかで、いろんな例をみてきた。

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