リアルからネットへ「逆侵攻」、自衛隊の思い
「ニコニコ超会議」で戦車初披露 納入メーカーも参加

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2013/5/6 12:00
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 自衛隊が若い世代向けの情報発信を強めている。4月27、28日に幕張メッセ(千葉市)で開催された大規模イベント「ニコニコ超会議2」。数ある参加企業・団体のなかでも自衛隊ブースは異彩を放ち、「変わる自衛隊広報」を象徴していた。今年は陸海空から30人以上の現役自衛官も参加し、ブース中央には民間イベントでは初披露となる最新鋭の「10式」戦車を展示。イベントには三菱重工業などの納入メーカーも参加し、初めて公の場で戦車などについて語った。その狙いとは。

超会議は「ニコニコ動画(ニコ動)」のすべてを地上に再現することをコンセプトに昨年から始まったイベント。今年は昨年に比べ約1万人増の10万3561人が訪れ、「ニコニコ生放送(ニコ生)」を通じた会場各所からの生中継には延べ509万人もの視聴者が集まった。

この巨大イベントでひときわ注目を集めたのが自衛隊ブース。そのはず、単なるネットサービスのイベントの枠を超え、自衛隊・防衛省として初の試みが詰まった陣容となっていたのだ。

自衛隊ブースに展示された「10式」戦車と、同戦車を実際に操縦する浦松丈司自衛官

自衛隊ブースに展示された「10式」戦車と、同戦車を実際に操縦する浦松丈司自衛官

■最新鋭の「10式」戦車を2晩かけて搬入

自衛隊の参加は昨年の超会議に続いて2回目。しかし、今年の規模は昨年を大きく上回る。昨年は陸上自衛隊のみの参加だったが、今年は陸海空すべてが参加。30人以上の現役自衛官が質問に答えたり、記念撮影に応じたりと、来場者と気軽に接していた。

装備品の展示も昨年は装甲車などに限られたが、今年は装甲車に加え、最新鋭の戦車まで登場した。2010年度から調達が開始された4世代目の10(ひとまる)式だ。まだ全国に26両しか配備されておらず、民間イベントで披露されたのは、これが初めてである。

10式の最大の特徴は、戦闘時の情報通信能力が極めて高い「IT戦車」であること。戦車はコンピューターネットワークで結ばれ、敵やゲリラを見つけると瞬時に情報を共有しあうことができる。この精度と速度において世界のトップをゆくとされる。IT能力のほかにも、スラローム走行しながらでも砲撃できるという機動力、世界のどの戦車の砲撃にも耐えられる防御力なども備えている。

もちろん、それだけ防衛機密も詰まっており、重さが44トンもある10式は輸送だけでも大変だ。大型トレーラーに載った10式はまず1晩かけて富士駐屯地(静岡県駿東郡)から朝霞駐屯地(東京都練馬区)に搬送され、翌晩、一般道の環状八号線を通って会場の幕張メッセまで運ばれた。

■「見てもらって安心を」、変わる広報姿勢

この最新鋭戦車が超会議で披露されたのはなぜか。防衛省で広報室長を務める大塚裕治1等陸佐はこう説明する。

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