2019年8月21日(水)

横綱をも惑わす技巧派 大相撲・安美錦竜児(上)

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2013/4/20 7:00
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白鵬の全勝優勝で幕を閉じた3月の大相撲春場所。15日間を振り返った横綱が最も危なかったと話すのが、懐に入られて泡を食った初日の安美錦との一番だった。

「何をしてくるかわからない相手」。横綱を惑わす技の引き出しの多さ、多彩な取り口が味わい深いベテランには技巧派、業師、相撲巧者――。そんな形容文句がよく似合う。

取組前に流れを組み立てる。相手の良さを消す相撲が持ち味

取組前に流れを組み立てる。相手の良さを消す相撲が持ち味

柔と剛織り交ぜ、現役最多の金星7つ

心掛けるのは「相手が嫌がる、相手が自分の形でとれないような相撲」。自分を出すより相手の良さを消す。

かつて技巧派大関として鳴らした玉ノ井親方(元大関栃東)は「相手の力を利用してとれる。いまの角界で一番相撲がうまい」と評する。

タイミング良く繰り出して相手を崩す出し投げ、はたきの妙。かと思うと電車道で一気に押し出す力業もある。

柔と剛を織り交ぜた融通無碍(むげ)な相撲は上位勢を大いに苦しめ、金星は現役最多の7つ。今年初場所では琴欧洲、鶴竜、琴奨菊の大関陣を3日続けてはたき込みで土俵にはわせた。

その技巧の原型はプロ入り前に形作られた。父のいとこは現在の師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)で、父も地元・青森の相撲道場の指導者。兄の清寿(元幕内安壮富士)とともに幼少から相撲に打ち込んだ。

転機の高校時代、監督から理詰め指導

転機となったのが鰺ケ沢高相撲部監督だった故・一戸琢哉との出会いだ。

指導方法が独特だった。相撲の途中でストップがかかり、「今なぜそうしたのか」と動きの意図をいちいち問いかける。何を狙うのか、そのためにはどうすべきか。

細部にわたる理詰めの指導で、「相撲を考えるようになった。ただとるんじゃなく、考えてとる意識が身に付いた」。

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大相撲「駆ける魂」

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