2019年2月18日(月)

命懸けの遊び求め アルパインクライマー・平出和也(上)

(1/2ページ)
2013/3/26 11:56
共有
印刷
その他

平出和也(ICI石井スポーツ所属、33)は、80歳で3度目のエベレスト登頂を目指す冒険家・三浦雄一郎の撮影を引き受けた。プロの山岳カメラマンの肩書を持つようになったのは、ほんの数年前だ。

08年にフランスのピオレ・ドールを受賞した

08年にフランスのピオレ・ドールを受賞した

8000メートル峰14座を極めた竹内洋岳の10、11座目(2008年のガッシャーブルム2=8035メートル→ブロードピーク=8051メートル)のサポート兼カメラマンとして、翌年にはフィンランド人のベーカー・グスタフソンに指名され、彼の14座目だったガッシャーブルム1(8068メートル)を登頂、撮影した。

極限の世界、カメラに収める

平出は登山家として、08年にインドのカメット峰(7756メートル)の未踏南東壁をパートナーの谷口けいと克服し、世界の登山界で最も権威のあるフランスのピオレ・ドール(金のピッケル)賞を日本で初めて受賞している。

岩と氷のほぼ垂直の世界を、自らを撮影しながら様々な手法をこらして極限の世界を切り取っていく。

肩書は「アルパインクライマー」がふさわしい。「未知への探究と環境の整わない場所で自らのルートを切り開く先鋭的な登山家」という意味で。

「初登はん」「未踏ルート」が誇れる履歴

略歴を見れば、エベレストをはじめ8000メートル峰5座登頂の記録はあるが、平出には意味を持たない。それより「初登はん」「未踏ルート」の戦跡の数々が彼の誇れる履歴となる。

「ベーカーが僕をカメラマンとして指名してくれたのも、8000メートルで確実に撮影ができる人はそんなにいないから。彼らはアスリート的なクライマーで、動きは速く、高度順化という点でも短期速攻型なので、ついて行けるカメラマンが本当にいない。僕しかできないことなのかなと思っているんです」

彼の好奇心が向かう先は尋常な世界ではない。

「僕は人ができないことをやりたい。人ができるものは人がやればいい。僕しかできないことを実現することが重要なんです」と。

  • 1
  • 2
  • 次へ
共有
印刷
その他

登山家・栗城史多

山岳カメラマン・村口徳行


電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報