テシェイラ同様、復帰が5月までずれ込みそうなのが、オープン戦初戦の1打席目に死球で右腕を骨折してしまったカーティス・グランダーソンだ。これもある意味、事故か。
■例年より早く体を動かし始めたグランダーソンだが…
そのグランダーソンは昨季、自己最多の43本塁打を放つ一方、打率が自己最低の2割3分2厘に終わり、今季は安定感のある打撃を目指していた。
昨年の終盤からそれを意識したグランダーソンは、ロッカーが近いイチローに聞いたそうだ。
「オフシーズンはどう過ごしているの?」
そのときイチローは「体を完全に休ませるのは数日で、すぐに体を動かす」と答えたそうである。
それを聞いてグランダーソンは「いつもより2週間ぐらい早く体を動かし始めた」といい、昨年12月に日本を訪れたときも、「バットを振ったり、体を動かしたりできる場所と時間の確保をまず考えた」と教えてくれた。
グランダーソンは来日中、大阪で女子野球チームの指導もしたが、「あれは、自分にとってもいい時間だった」と振り返っている。「だって、自分も広いグラウンドで練習できたから(笑)」
■避けられるケガと避けられないケガ
キャンプが始まってから言葉を交わす時間があったが、早く練習を始めたおかげで「とにかく、体が動く」とも話していた。
「考えてみれば、大学のときは1年中、野球をやっていた。体を動かし続けるのは理にかなっている」
シーズン開幕が待ちきれない――。そうした言葉の裏にはそんな思いがにじんでいたのだが……。
野球には避けられるケガと、グランダーソンのように避けられないケガがある。前者を防ぐことについて、イチローは徹底している。
たとえば、サヨナラ勝ちをして、チームメートと騒いでいるときにも、誰かにぶつかられてもその衝撃を和らげることができるよう、常に「力を抜いている」そうだ。
思ったより早く愛知県豊山町に着いたので、この辺りに自分が通っていた幼稚園があったはずだと検索して向かってみると、あるにはあったが、昔の記憶とはなんら結びつかない建物がそこにあった。もう何十年も経って
何を残すのか。それは必ずしも、数字である必要はない。アスリートの言葉もまた、いつか歴史上の貴重な証言となり、道しるべとなる。
そのことを強く意識するイチローは2018年、キャンプも半ばに差し掛かった
シーズン最終日翌日の10月1日、エンゼルスの大谷翔平が右肘の靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた。これで来季、大谷がマウンドに上がることはなくなり、時速100マイル(約161キロ)を超える