2018年2月19日(月)

1億人のLINE、キーパーソンが描く世界戦略
米中市場を強化、経営論は「逆ばり」

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2013/2/11 7:00
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(舛田)「もう、いろんな国の人間が入ってきているので、行動原理、原則がシンプルでないと無理なんですよね。ヘンにプロセス化して、ヘンにシステム化しても、機能しない。それぞれがいろんなところで一線級でやっていた人間たちなので、それぞれのやり方がある。そうすると、よくあるフレームを当てはめるよりは、ゴールはどこで、行動原理はこれで、哲学はこれで、さあ、やろう、っていう方がうまくいく。実際、うまくいってきている」

 「あとは、よく社内でもいうんですけれど、スタッフが何かやろうと思った時に、『モチベーションは自分で上げてくれ』と。『我々はモチベーションをマネジメントしないから』と。ただ、我々が唯一やるべきことは、みんながやりたいと思っていることへの判断を早くすること。ペンディングはさせない。その場その場で、毎日でも毎分でもいいから、我々は判断をし続けます」

■「損益や黒字化は見ていない」

―― 現在の開発陣容や外国人比率は?

(森川)「80~100人。そのうち、8割くらいが日本人。残りが外国人ですが、外国人、日本人というよりは、全体としてちょっと変わった人が多い(笑)。外国人だけれど日本人ぽい人もいるし、日本人だけれど外国人ぽい人もいる。外国人かどうかを考えるより、とんがった人にどう成果を出してもらうか、暴れ馬をどう御するか、そういう感じですよね」

―― 月次でのLINE事業の単体黒字化は見えてきたのか。

(森川)「じつは、その数字、今はあまり見ていないんですよね。もちろん見ている人もいますけれど、その数字を作ることはあまり重要じゃなくて、今はグローバルでより規模を大きくしようと集中してやっている。PL(損益)に関して特に社内で共有しているわけではない」

 「気にすることが多くなるほど本質的なものを見失っていくと思うんですよね。経営の教科書に書いてあることを全部やって成功できるかというと、それで成功した会社ってないと思うんです。どちらかというと、(収益を)捨てたうえで、一番重要なものをどれだけ拾えるのか。いま僕たちにはそういう恵まれた環境があるというのがすごくチャンスだと思っていて」

 「(損益を気にしないなんていうと)普通は『経営者ばかやろう、ふざけるな』ってなる(笑)。でも、我々は違う。その環境がある会社って、たぶん日本には我々しかいないし、だからこそ本気でグローバルを狙えるのかなと。今は、とにかく現場の人に走ってもらって、それを何とか支えていくのが僕の役割なのかなと思っています」

■破天荒な未来、日本から

 1億人まで、サービス開始からわずか1年7カ月。ツイッターは49カ月、フェイスブックは54カ月かかった。かつて世界のどの企業も経験したことのない、破天荒なスピード感でLINEは走り続けている。グローバル化のプロセスも、その未来も、誰も想像のつかない破天荒なものになるに違いない。その未来が日本から創られることの意味は大きい。

(電子報道部 井上理、杉原梓)

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