勝利のメンタリティー(山本昌邦)

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「ポゼッション」ではなく肝は「心」

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2012/12/10 7:00
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サッカーにとって、選手にとって、試合にとって一番大事なもの。その答えはすべてに共通すると私は思っている。それは「心」だ。人によってはそれを「魂」と呼んだり、「精神力」と呼んだり、「闘争心」と呼んだりするのかもしれない。いずれにしても、スポーツをするのも、見るのも、心と心が響き合ってこそ感動は生まれる。

山本昌邦氏

山本昌邦氏

どんなに高度なテクニックや戦術を披露しても気持ちが入っていないと人の心は動かせないし、勝利を手繰り寄せることも難しい。選手も心にしっかりとした軸がないと成長できない。そんな思いを下敷きにこの新しいコラムを始めたいと思う。

枠内にシュートを打たせなかったチームは…

今シーズンのJリーグは広島が初優勝し、2位に仙台が食い込んだ。首都圏や関西のビッグクラブを抑えて、予算規模の小さな広島や仙台が踏ん張れたのはなぜか。

ここに興味深いデータがある。今シーズンを通して相手に枠内シュートを打たせなかったチームはどこか、という数字である。

サッカーの試合をさまざまな角度から分析するエキスパート集団である「データスタジアム」によると、1試合平均で最も少なかったチームが広島の3.38本だった。

あまりにも当たり前の理屈だが、サッカーとは得点の多寡を競うゲームである。その得点はシュートをゴールの枠内に打って初めて可能性が生まれる。

裏返せば、いくらシュートを打たれても、ゴールの枠内に打たせなければ失点はしない。勝つチャンスも膨らむ。

広島は今季、それを最も忠実に履行したチームだったわけである。ちなみに仙台も3.71でトップ5に入っている。両チームともいわゆる「球際」に強かった。

1センチ、1ミリでも詰める執念

言うはやすく行うは難しで、枠内にシュートを打たせないためには最後の最後まで打ち手に迫る覚悟がいる。体を投げ出すのは当然のこと。振り切られたと思っても追いすがり、足音を聞かせるだけで相手にプレッシャーをかけることもできる。

1センチ、いや、1ミリでも詰める、寄せる、コースを消すという執念があってこそ、初めて成り立つ。今季の広島と仙台にはそれがあったのだ。

試合時間の残りが15分を切ってからの得点が多いとか、共通点もある広島と仙台だが、試合の進め方は対照的だった。仙台はセットプレーからの得点が総得点の4割を占めるほど高く、広島は流れの中からの得点が多かった。

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