訪日客はどこで、何にお金を使う? (チャートで読むインバウンド)

2019/8/10 1:00 (2019/8/19 17:15更新)
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日本はいま空前のインバウンド(訪日外国人)ブームに沸いている。日本政府観光局によると2018年に日本を訪れた外国人は3119万人、消費額は4兆5000億円と、5年前に比べてともに3倍に膨らんでいる。ただ外国人が何に魅了され、どんな消費行動をしているのかは地域によって様々だ。各地を訪れる外国人に直接話を聞き、インバウンドの最前線で何が起こっているのかを探った。

訪日客は西へ、消費は東で 3人に1人は大阪・中央区へ

空前のインバウンド(訪日外国人)ブームに沸く日本列島。政府統計では見えない市区町村別の訪問数や消費額をひもとくと、訪日客は東西に分散する一方、消費は東京に一極集中しているいびつな構図が浮かぶ。


「ニンジャだ」渋谷に集う外国人 スマホで導き消費喚起

東京都渋谷区のスクランブル交差点がインバウンド(訪日外国人)を引き寄せている。海外で知られた著名な観光場所や建築物が無いことを逆手に取り、地域ぐるみで観光資源化に取り組んだ一環だ。外国人目線で発信された魅力で集客し、旅慣れた外国人もおカネを落とす流れを生み出している。


西成に集うバックパッカー 「快適・便利」街が変わる

大阪市西成区の「あいりん地区」。インバウンドブームが「日雇い労働者の街」として知られるこの地域の雰囲気を大きく変えようとしている。フランスでIT(情報技術)企業に勤めるダミアン・ランソンさん(26)は弟のルカさん(18)と初めての日本旅行。2週間の旅程で東京から関西へ。


滝・温泉・地獄蒸し…ぐるり九州、アジアのハートつかむ

アジアに近い九州・沖縄は年間500万人以上のインバウンド(訪日外国人)が訪れ、9割以上が中国や韓国などアジアからの入国者だ。九州の温泉地や沖縄のアクティビティーなどがアジアの観光客を呼び込んでいる。


「ホテルより温泉宿」富士山や高山へ リピーター周遊

日本列島のど真ん中、中部地方が通好みの訪日外国人(インバウンド)でにぎわっている。富士山や伊勢神宮、合掌造りといった日本の伝統をじかに感じられる観光資源が多く、首都圏や関西、北陸とアクセスの良さが光る。地元の自治体や企業が照準を合わせるのは、訪日経験のあるリピーターや欧米の富裕層だ。


山伏体験「ユニーク」 東北スピリチュアルは誘客の原石

東北地方は東京や大阪などの大都市に比べて、インバウンド(訪日外国人)の訪問客数が少ない。それでも足を運ぶ訪日客を引き付けているのは、都市部では体験できない伝統的な日本文化に触れられるような観光資源だ。国際線定期便の就航で訪日客が急増した自治体もある。足元のインバウンド市場の小ささは、将来の伸びしろの大きさの裏返しでもある。


農家民宿・宿場町…「映える」信越 リピーター獲得

新潟、長野両県ともインバウンド(訪日外国人)が増加傾向だ。新潟県十日町市や長野県塩尻市など信越の田舎町でインバウンドが急増している。人気の背景を探ると、「日本らしさ」や「写真映え」といった要素が浮かび上がってきた。


九谷焼や越前打刃物…欧米客の目を奪う北陸の美

日本海に面する北陸がインバウンド(訪日外国人)でにぎわっている。伝統的な日本文化に触れられる観光施設や工芸品のほか、立山などの自然の風景が訪日客を引き付けている。アジア人観光客だけでなく、欧米の観光客の伸びも高い。


■「SETOUCHI」クルーズ順風満帆 SNSが世界から集客

海外メディアが中四国のインバウンド(訪日外国人)を押し上げている。写真映えする風景や国際芸術祭、平和記念資料館など、海外に発信された情報が中四国の観光資源の魅力を引き出している。


北海道観光に暗雲 韓国客、相次ぐキャンセル

北海道を2018年度に訪れたインバウンド(訪日外国人)は300万人に届く勢いだ。10年間で4倍と急増し、北海道によると道内観光消費額のうち訪日客は26%を占め、地域経済に大きく貢献する。ただここにきて急速に暗雲が垂れこめてきた。日韓関係の悪化により、国、地域別で常に上位の韓国人客のキャンセルが相次いでいるためだ。


圏央道が結ぶ北関東とLCC 日光に温泉に訪日客運ぶ

民間がまとめる都道府県の魅力度ランキングで最下位争いをしている北関東3県に、インバウンド(訪日外国人)が足を伸ばしている。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通区間が広がり、首都圏からのアクセスが改善して誘客を後押ししている。インバウンド市場で北関東のリベンジが始まった。


箱根も日帰り、宿泊増狙う南関東 山梨は爆買い健在

神奈川県箱根町は日本を代表する温泉リゾートだ。だが、外国人観光客は温泉より、美術館や自然に魅力を感じているようだ。同町を訪れる訪日客は南関東ブロックで3番目に高いが、宿泊する人が少ないためか消費総額は9位にとどまる。宿泊客を増やすことが課題となっている。


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