グリー・DeNA、ゲーム健全化へ「不安」な船出
ソーシャルゲーム協会発足もヤフーめぐり不協和音

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2012/11/9 10:54
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コンプガチャなき今、主流となっているのは「パッケージガチャ」「ボックスガチャ」と呼ばれるガチャで、コンプガチャの収入減を埋めている。数百種類あるカード、全種類を1つの箱に入れ、そこから1枚300円程度で順に引いていくようなイメージの手法だ。一度引いたカードは箱から除外され、引けば引くほど希少なレアカードが当たる確率が高まる。

GREEの「探検ドリランド」で行われているパッケージガチャ。ユーザーが欲しがる最上級のレアカードは、330枚中1枚しか入っていない

GREEの「探検ドリランド」で行われているパッケージガチャ。ユーザーが欲しがる最上級のレアカードは、330枚中1枚しか入っていない

しかし、コンプガチャの景品となっていたような最上級のレアカードが出現する確率は極めて低い。たとえばグリーの売り上げをけん引するドリランドのパッケージガチャでは330分の1。「10万円以上つぎ込めば必ず出る」という上限が、かえって射幸心をあおっているとのユーザーの声も多い。

こうした手法がコンプガチャを代替する中、15歳以下は月額5000円、16歳以上20歳未満は月額1万円という課金上限が高いのか、低いのか。その議論も分かれるところだ。

■ビジネスか健全化か、バランスは「諮問委員会」で

ビジネスや成長を追求する以上、各社は収益力の高いガチャに頼らざるを得ない。すなわち、射幸心をあおる方向へ自然と傾倒するが、それは安心・安全で健全な遊技環境を求めることと背反する。プレーヤー中心の業界団体に、そのバランスが取れるのか。健全化を担保する第三者機関を作るべきではなかったのか。

協会発足の会見終了後、しばらく残ってくれた事務局長の慶応大・中村教授にぶつけた。

「そこがですね……。まずは、大手が足並みをそろえ、同じテーブルに乗って動き出すというのを始めたかった。バランスが取れるかは、協会に設置する諮問委員会の独立性、そして『ちゃんとしなさいよ』という強いリーダーシップがどれだけ発揮できるか、によると思っています」

ソーシャルゲーム協会の諮問委員会には、協会の準備委員会座長も務めた一橋大学の堀部政男名誉教授以下、4人が名を連ねる。いずれも政策や法律などに精通した「大人」だが、ソーシャルゲームの実態に精通しているかは未知数。中村教授は続ける。「それでうまくいかなかったら、別途、第三者機関うんぬんという議論が出てきてもおかしくはない」

健全化の御旗は監督省庁に向けた打ち上げ花火なのか、本気なのか。世界で勝負できる可能性を秘めた日本発の産業とされるソーシャルゲーム。足元では自浄能力が試されている。

(電子報道部 井上理)

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