グリー・DeNA、ゲーム健全化へ「不安」な船出
ソーシャルゲーム協会発足もヤフーめぐり不協和音

(3/4ページ)
2012/11/9 10:54
保存
共有
印刷
その他

自主規制には強制力がない。協会はルールが順守されているか監視していくとするが、すでに数千タイトルもあるソーシャルゲームをきちんとチェックできるのかは未知数。協会で「自主規制委員会」の委員長を務めるグリーの山岸広太郎副社長は会見で、「すべてを事前にチェックするのは難しい」とし、「パトロールやユーザーからの情報を分析して実効性を担保していきたい」と答えた。

同じく、ソーシャルゲーム事業者の外で行われているRMTについても、中村教授は「当方は命令できる立場じゃなく、ご相談する立場だと思いますけれど、アクションはとっていきたいと思います」と答えるにとどめた。そのわずか数時間後、今度はRMT問題を「棚上げ」にするようなやり取りがなされるから、協会への不安はますます募る。

■ヤフオクのRMT問題は「棚上げ」

ヤフーオークションには今でも多数のカードが出品され、数万円から十数万円と高額で取引されている(8日、画面は「探検ドリランド」関連の出品)

ヤフーオークションには今でも多数のカードが出品され、数万円から十数万円と高額で取引されている(8日、画面は「探検ドリランド」関連の出品)

一連のソーシャルゲーム問題の発端は今年2月、グリー製の人気ゲーム「探検ドリランド」のカードが大量に複製された騒動だった。その背景には、希少なカードを得るため10万円以上もガチャにつぎ込む「射幸性」、そしてカードを現金化できる「換金市場」の存在があった。中でも換金市場の中心を担っていたのは「ヤフーオークション」。ドリランドだけで約3カ月のあいだに4億円以上もの取引があった。これを機に、業界は健全化へと舵(かじ)を切った経緯がある。

ヤフー自体は、法令違反ではないRMTを許容する立場を貫いており、カードなどのアイテムを削除対象としていない。そのため、数は減ったものの、いまだに常時、希少なレアカードを中心に数千点のアイテムが出品されている。しかしグリーとヤフーの包括的な業務提携は、そのことにあえて触れていない。

RMTについてどう対処するのか。提携発表の場で問われたヤフーの宮坂社長は、「今回の提携はあくまで、スマホ向けのソーシャルゲーム。オークションについては一線を画したかたちで、今のところは特に考えていない」と一蹴。田中社長も特にコメントしなかった。

この数カ月間、「RMTの根絶を目指したい」と繰り返してきた田中社長。RMT問題含め、業界一丸となって健全化に対処するために、業界団体も発足させた。ところが同日、RMT問題を置き去りのまま、ヤフーと「包括的な」業務提携をした。ヤフーは今のところ、業界団体にも参加しておらず、RMTを排除する考えもない。その前提で、グリーはビジネスを優先させたということになる。

■新手の「パッケージガチャ」台頭、射幸性問題は白紙

ガチャ自体、どう自主規制を進めていくのか。その議論もまだこれからだ。コンプガチャは、たまたま景品表示法が禁じている「絵合わせ」に該当するとして違法となったが、問題の本質である射幸性についての議論は、ほとんどなされていない。すでに新手のガチャも台頭している。

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]