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元「全英」覇者、ハリントンが探し当てた復活への手応え

米ゴルフウイーク誌記者 ジム・マッケイブ

2007年と08年に全英オープンを連覇、08年に全米プロも制し、その2年間に四大大会3勝をマークしたパドレイグ・ハリントン(アイルランド)。そのまま一気に毎年のようにメジャー大会で優勝を争うような選手になるかと思われたが、09年以降、米ツアーでは未勝利(09、10年と米ツアー以外の大会で1勝づつ)。特に昨年は18試合に出場して、3位以内に1度も入れなかった。

PGAグランドスラムで久々に優勝

このため今年は世界ゴルフ選手権シリーズの4大会にも出られず、さらにはライダーカップの出場も逃した。一時は3位にまで上がった世界ランキングも、10月29日現在59位と低迷している。

しかしながら、10月23日と24日、英領バミューダで行われたPGAグランドスラムで久々に優勝し、昔と変わらぬ笑みを見せた。

同大会はその年の四大大会の勝者によって争われる大会だ。ハリントンは、全英オープンを制したアーニー・エルス(南アフリカ)に代わって特別出場すると、全米オープン覇者のウェブ・シンプソン(米国)らを振り切っている。

「勝つってことは、ある意味、習慣」

「いやあ、しばらく勝ってなかっただけに、最高の気分だ」とハリントン。

「勝つってことは、ある意味、習慣なんだ。勝ちが途切れると、勝ち方を忘れてしまう。久々の感覚だった」

参加者は、わずか4人。大会も2日間のみ。以前に比べて、注目度も低くなってしまったが、「2打リードして迎えた2日目は、普通の大会の最終日のようだった」とハリントンは話し、その緊張感こそが、久しく味わっていなかったものだったようだ。

13年の目標は「ゴルフランキングで50位以内に入ること」というハリントン。過去、4年間もトップ10に名を連ねていた選手にしては小さな目標だが、「それでいいのだ」という。「まずは、そこからだ」

久しく表舞台から遠ざかっていた選手らしいが、その言葉はどこか矛盾していた。

「正しい決断をしたと思っている」

なぜなら、当初、彼は中国で開催されるBMWマスターズ選手権に出場予定だった。しかし、ポイント対象となるその大会を欠場してまで、ポイント対象にはならないPGAグランドスラムに出場したからだ。

それを指摘すれば彼は、首を振った。

「いや、正しい決断をしたと思っている。僕は、ここに来る必要があった。ここでチャンスをつかむ必要があった」

PGAグランドスラムは彼にとって、07年と08年に招待された大会である。冒頭でも触れたが、その2年で3度もメジャー制覇。彼にしてみれば、勝ち方を知っていたころに出場した試合でもある。

忘れていた何かを探し当てた?

今回はエルスの代理ではあったが、彼は同じ舞台に立つことで、ここ数年間、忘れていた何かを探していたよう。

実際に何かを探し当てたのか。彼ははっきりとは口にしなかったが、優勝で見せた笑みは、それを手にした満足感が漂っていた。

過去2回の大会ではいずれも優勝を逃したが、そこで味わった虚無感は、今回の勝利で埋まったようでもある。

世界ランク50位以内への目標へは回り道ではあったが、結果としては、彼にとって近道になるのかもしれない。

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